二人の陰陽師に恋をする・・・かもしれない。

10話　　 ページ11

土御門島 総覇陰陽連本庁舎 泰月楼

陰陽頭、土御門有馬が自分の仕事部屋にある人物を呼んだ。

その人物とは・・・

ガチャ

清弦 「何だ有馬〜俺に話があるっつうのは。」

現十二天将『白虎』を継承する男、天若清弦だった。

彼は美琴と繭良の父親だ。しかし、美琴の本当の父親では無い。

有馬 「お！来てくれたね清弦！」

清弦 「さっさと話せ〜。つまんねえことなら帰るぞ〜」

有馬 「大丈夫！大丈夫！ちゃんとしたことだから！」

なぜか有馬は楽しそうにニヤニヤしていた。いつもの事だが。

清弦 「で、一体何((有「美琴ちゃんに会ってきたよ。」・・・だからなんだ〜？」

有馬 「あれ？心配じゃないの？親なのに？」

清弦 「てめえに言われたくはねえな〜。そもそもあいつは、花湖の子どもだ〜。」

清弦が話している人物。それは、天咲 花湖(あまさき かこ)

彼女は清弦の姉であり、天咲家当主だった。

天咲家とは、天若家の親戚に当たる家。そして、『白蛇』を受け継ぐ家系。

しかし、花湖は清弦の本当の姉ではない。

花湖は、清弦の母が亡くなったあと、父親にあたる天若止弦の意思で天咲家に引き取られたのだ。


花湖は成長して結婚した。その間にできた子供が美琴なのだ。

しかし、美琴が生まれてすぐに父親は禍野で戦死。花湖もしばらくして病で亡くなった。

その後、美琴を清弦が引き取り、育てたのだ。


有馬 「まあ確かにそうだけど、あの子にとっては君が親なんだよ？あと、美琴ちゃん、まだ「お父さん」って呼ばないんだね。」

清弦 「そりゃあそうだろ〜。血がつながってねえんだからよ〜。」


ある日、清弦が美琴に本当の事を伝えると、美琴はその日から清弦の事を「お父さん」と呼ばなくなった。

有馬 「あ、そうそう清弦！君に鳴神町での任務を入れたから〜☆」

清弦 「ああ〜！？どういうことだ有馬〜！？」

清弦は有馬に詰め寄る。その目は怒りに満ちている。

有馬 「まあまあ落ち着いて‼たまにはいいじゃん！美琴ちゃんと仲直りしてきなよ！」

清弦 「あいつがそうしねえだろ〜！？」

有馬 「まったく。いい加減言えばいいのに。
「これ以上危険な目に遭わせたくないから本土に帰した。」てさ。」


そう。美琴が気にしている清弦の言葉は清弦なりの遠回しの気持ちなのだ。

彼は不器用なので、よく誤解されやすい。

だが一応、彼は大切なものを守るためにあんな言い方をする。

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