【テニプリ】君と始める恋物語part3【短編集】

恋せよ少年少女【切原赤也】 ページ23

喧嘩友達、みたいな関係だった切原と、何の因果か恋人同士になった。
最初は何か調子狂うよね〜ってそんなことばっか言ってたし、周りにも同じように言われてた。それから私たちは口が悪いから、喧嘩するとすぐ暴言を吐く。切原は私のことすぐ｢このブス！！｣って言うし、それに落ち込むような性格でもないから、私は｢うるさいバカ！！｣って返す。それでも根本の気は合うから、何度も何度も喧嘩はしたけどすぐに仲直りして、これまで別れずにやって来た。

｢よくこんなに続いたよね｣

友人は口を揃えてそう言う。正直、私もそう思うから苦笑いで返した。

｢もうすぐ1年だっけ？｣
｢そう｣
｢いや〜何か感慨深いわ｣

ほう...と感心したようなため息をつく友人は、いつも愚痴やら何やら聞いてもらってきたため、正直頭が上がらない。

｢何かお祝いとかするの？あ、でもAたちそういうのしなさそう｣
｢切原は部活忙しいから、私もそういうのはないだろうなって思ってたら、昨日誘われたよ｣
｢え、嘘｣
｢ほんと｣
｢デート？｣
｢そーいうことになるね｣

2人で出かけたりするのはすごく久しぶり。そもそも切原の予定が開かないから。それがたまたま奇跡的に週末が空いたらしい。
私はそれが嬉しくて、昨日から顔が緩みっぱなしなのだ。

｢よかったじゃん、楽しんでおいでね｣
｢ありがと｣

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