【テニプリ】君と始める恋物語part3【短編集】 (ページ13)

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純心などとうの昔【仁王雅治】ページ13

※倫理的にアウトな香りがすごくします
※仁王がひどい男です
※人を選ぶ話ですのでご注意ください

ああ、暑い。

真夏の密閉された男子更衣室。私が今いるのは熱気や汗のにおいが籠るそんな場所で、暑くない訳がなかった。

｢…ん、んぅ、っ｣

だけど暑い理由はそれだけじゃない。今している事が、私の体温をどんどん上昇させていってることは明らかだった。私の息はどんどん苦しくなって、乱れていく。

｢…もう限界か？｣
｢…う、ん…、もうむり…｣

合わせていた唇を離して、仁王君が言った。私と仁王君の唇の間に、銀色の糸がひかれた。それを目にして、何だか恥ずかしくなる。

｢こういうキス、あいつとはもうやったんか？｣
｢…っううん、まだ…｣

息を整えながら、私は答える。あいつっていうのは、私の彼氏のこと。一ヶ月ほど前に付き合ったばかりだ。そう言えば彼氏とはまだ手しか繋いでない。

｢…ククッ…ええんか、普段優等生の木下サンが、授業サボって彼氏でもない男とこんなとこで｣
｢…よくないよ。仁王君がそうさせたんでしょう｣

全てを見透かしたような瞳で私を見る仁王君を軽く睨みながら、私はあの日を思い出す。