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#16 従わない ページ20

それから私は彼らとの距離を縮め、晴れてドレッセル製鉄所メンバーの仲間入りをした。
フーゴに連れられて何度か民家を爆破しにも行った。どうやら私は爆薬の扱いがそこそこに上手いらしく、フーゴの補佐役として活躍することもしばしばあった。
こんな小さな塊を投げ込むだけで何人もの人生がひっくり返るだなんて…私は初めて誰かの命を奪った瞬間に、恐怖は疎か強い感動を覚えていた。変わることを拒みながら生きてきた(・・・・・・・・・・・・・・・・)私には、初めての感覚。
この行為に罪悪感を覚えなくなっていくあたり、私も着々と世に言う狂人への道を歩んでいっているのだと、悲しいながら実感する。

いや、もう悲しくも……ないかな。そもそも、誘惑に負けて悪魔と契約してしまった時点で、私は法に許されることのない犯罪者なのだ。今更人の人生を奪ったところで、本質はきっと変わらない。

そんなこんなで、私がフーゴを手伝い続けておよそ2週間。

フーゴと人の幸せを奪いながら、考えた。そして、私は決めたのだ。
どうせ、今の私は人を不幸にしなければ生きていけない。ならば、生きてやる。
法に裁かれず、法を敵に回し、人を不幸にしながら生きてやる。
バロウズ市長の下で働くのは不本意だから、いつかフーゴと一緒にあいつの管轄から離れたいと思う。
フーゴだって、バロウズ市長のことを快くは思っていないはずだ。

私は、代償と戦う。
愛せない人を愛し、愛する人を愛さずに生きていこう。

それが、私から不変の日常を奪った悪魔と市長に対しての、一番の“復讐”になると思うから。

幕間2 彼は解らない→←#15 名もない



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作者名:cc | 作成日時:2017年12月28日 10時

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