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私はさっき用意していたお茶をだす。
「まぁ、これくらいしか出せないけど…」
「ありがとうございますAさん」
「つーか、何だよ頼みごとって。オレ様たちはもう雑用係じゃねーんだゾ」
「おや？私は君たちの衣食住をタダで保証するなんて
一言も言ってませんが？」
「は……」
「労働とは美しいものですねぇ、
グリムくん。ユウくん、Aさん」
脅しにかかってくるとは
歪みに歪んでるでしょその性格。
「で、何が言いたい？」
「実は最近、学園内で不審な事故による怪我人が続出していまして。
それについての調査をお願いしたいのです」
何が調査だよ。
そういうの苦手なんだよなぁ。
「怪我人〜？」
「ええ。
階段からの転落や、熱湯による火傷など……
原因はさまざまですが、ここ数日で急に保健室の利用者が増えたんです。
昨日も階段からの転落事故があり、
これで怪我人は10人目」
「10人目？
そんなに？」
それは不信すぎるでしょ？
数日間にわたって不注意の事故は。
「誰も重傷に至っていないのが救いなのですが……」
「おっちょこちょいなんじゃないのか〜？」
「ほんとそれ、マジフトに近づくにつれて浮き足立ったんじゃないの？」
「それにしても、例年に比べて怪我人が多すぎる
なんででしょう。」
「さぁ？
俺らに聞かれてもねぇ。」
「ね。」
と、顔を見合せた。
「しかも、怪我をした全員が今年の大会の
選抜メンバーに選ばれると注目されていた生徒なんです」
「ほぉ〜ん？」
「きな臭っさ。
つまりはただの事故じゃなくて
学園長は誰かが故意に事故を起こさせた犯人がいると…」
「ユウくん、名推理です。
ただ、事件とするには証拠が何もない。
全ての事故は人の目があるとことで起きていて、
しかも目撃者は口を揃えてこう言うんです。
”本人の不注意にしか見えなかった”と」
と。
けれど、その10人は選抜メンバーでドジ踏んで怪我をした。
確かに主の言う通りきな臭い。
けれどそれは100パーセントとは言いきれないわけだよね。
こんなに大掛かりなことをやるなんて一体何が目的なんだろう？
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作者名：逆菜 | 作成日時：2021年8月29日 12時
