【UT×鋼】大好きな地下世界で、憧れの国家錬金術師と“平和”を掴み取ります。【長編夢小説】

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エドワードside


フラウィはそう吐き捨て、わざとらしく息をついた。そうしてゆっくりと姿を表したそいつに、オレは身構える。


「しつこいヤツだな。まだ、オレたちの命を狙おうってか」

「安心しなよ。それはやめたから。そんなことよりも、A」


花は口角を上げて、不快な笑みをAに向ける。彼女は小さく息を呑んだ。


「さっきは見事だったよ。よくあんなにすぐに動いてみせたね？ まるで……ああなることを知ってたみたいにさ」

『……！』


含みのある言い方に、探るような視線。
彼女が、否定することなくわずかに表情を強ばらせると、花は笑みを深める。まるで何か確信を得たように。


「ふうん……そっか。やっぱりね。キミみたいなお人好し、何も知らなきゃ敵意を向けられても気づかなそうだもん」

『……』


Aは何も返さないどころか、気まずげに目を伏せる。その表情は、怒るどころか、どこか悲しげだ。
その意味はやはり、この地底のことを、花のことを知っているからこそなのか。


「……わざわざそんな嫌味を言いに来たのか？」


彼女を背に庇い問えば、花は首を振る。


「嫌味だなんて。ちょっと確認しただけさ。そうそう……思い出したことがあったんだ。お前が使った“魔法”について」

「はぁ？ 何度も言わせんな。あれは錬金術だ、魔法じゃない」


だが花は、確信めいた風にきっぱりと言い放った。


「いいや。あれは間違いなく魔法さ。それを使えるニンゲンが、まさかまだ居るなんて思ってなかったけどね」

「何……？」

「やれやれ、何も知らないんだね」


やれやれと息をついた花は、そうして、静かに話し出した。


「いい？ 元々その魔法はね、むかーしむかし、ボクたちモンスターがキミたちニンゲンに教えてあげたものなんだよ」

『！？』

「はぁ……？」

「そう。モンスターとニンゲンは共存していた。地上で仲良く暮らしていたんだよ。……でも、結局その遺跡は滅んだけどね。ある1人のニンゲンの、ちっぽけな願いの為に」


“遺跡”、“滅んだ”。
何かが引っかかり、オレは記憶を掘り起こす。

まさか……。


「ちょっと待て。お前……それ、いつの話をしてるんだ？」

「そうだねぇ……もう何千年も昔なのは確かだよ」

「！」


何千年も昔に、一夜で滅んだ遺跡。
それは、少なくともオレの記憶では、ひとつしか浮かばない。

こいつの言うことが仮に本当だとすれば、その遺跡の名はーー


「クセルクセス……？」

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