――***―― ページ37
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「にゃあ〜」
「んにゃあ〜」
「おいおい、なんなんだよこいつら……!?」
『こ、こんなに……!? この一瞬で、連れてきたってこと?』
フロギーたちは、驚く私たちの足元をひとしきり飛び跳ねてから、動きを止めて見上げてくる。
『えっと……』
「トリエル様、失礼いたしますケロ」
「今度は喋った……!?」
群れの先頭に立つリーダー格のフロギーが、恭しく彼女へお辞儀をする。
彼女が笑顔で頷いてから、フロギーは、今度は私たちに向き直った。
「……ニンゲンさん」
『! は、はい!』
控えめに話しかけられ、反射的に返事をした私に、フロギーは目を細めた。
「……実は、女のニンゲンさんに乗ってるそれは、私の息子なんだケロ」
『! そうだったんですか』
肩を見れば、小さいフロギーと目が合う。
「で……それと、大群で来たのと、どういう関係があるんだ?」
「ニンゲンさんたちは……特に、女のニンゲンさんは、とっても優しいケロ。息子が、元気付けられてとっても喜んでいたケロ」
「にゃ〜」
その子はまた、私の頬に擦り寄る。
その暖かさがとてもこそばゆい。
「でも、ニンゲンさんは落ち込んでるケロ。‟家族”のことで、落ち込んでるんだケロ?」
『っそれは……』
「……」
私というよりは、エドが……。
エドは表情に影を落としている。
「……大丈夫ケロ」
「え……」
フロギーの言葉に、エドは顔を上げた。
「二人は優しいケロ。きっと、神様が見ていて、二人の心配事をすぐに無くしてくれる筈ケロ」
「神サマ……か。へっ、神サマとやらが本当に居るなら、オレは今頃、こんなところには居ないと思うんだけどな」
「……そうなんだケロ? きっと、よっぽど辛いことがあったケロね。私たちは、ニンゲンさんたちを励ましに来たんだケロ」
自嘲気味に言う彼に、フロギーは神妙に頷いてから、群れの皆に目配せをする。
そして、直後に彼らの頭上に、いくつもの淡いオレンジ色の光の玉が浮かび上がった。
『わあ……』
「まあ、素敵ね!」
「すげぇ……ん、これは文字か……?」
『……! 皆……』
玉の中心に浮かび上がったそれを見て、私はじわりと胸が熱くなる。
その傍で、彼は首を振り私に視線を向ける。
「A、一体何て書いてあるんだ?」
『えっとですね……』
私は、温かなその光に目を凝らした。
――“大丈夫。希望はいつも、二人の傍に”
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アンテ民 - Hi(^-^)/そこら辺にいる雑草コト、アンテ民でこざいま〜す!((いやぁ〜大好きな鋼錬とアンテが掛け合わせに推しのかしわ様が描いていらっしゃるとね、分かった瞬間吐血しましたねハイ(((更新頑張って下さい!!! (4月15日 2時) (レス) id: 677c09749a (このIDを非表示/違反報告)
エド推し - 初コメ失礼しましたマジ天才です!!!!!こんな神作品をつくってくれてありがとうございますッッ!!!!!! (2月24日 9時) (レス) id: 3dedb59794 (このIDを非表示/違反報告)
エド推し - マジ天才です!!!!!こんな神作品をつくってくれてありがとうございますッッ!!!!!! (2月24日 9時) (レス) id: 3dedb59794 (このIDを非表示/違反報告)
さささ―(プロフ) - 初コメ失礼します見ました!ものすごい面白かったです次の話が出るまで楽しみに待っています! (6月22日 4時) (レス) id: 03f3eacb33 (このIDを非表示/違反報告)
かしわ@低浮上気味本当にすみません……(プロフ) - 葛見さん» 葛見様、初めまして。そう言っていただけて大変嬉しいです……!更新が本当に遅くて申し訳ございません……頑張って書き続けますね……! (2023年4月5日 17時) (レス) id: 850b2caf1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かしわ | 作成日時:2022年9月12日 21時