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――***―― ページ18

.



「兄さん!!」



アルフォンスは、崩落していく崖の中、兄へ必死に手を伸ばす。



――どうして、こんなことに……



賢者の石の情報を探るリンたちから逃げ回る日々の中で、ある術師の噂を聞きつけたエルリック兄弟は、イビト山脈の頂上へと赴いた。

何か有力な話を聞けたら……その一心で、彼の住むという山小屋まで辿り着くも、人の影が見当たらず、収穫が無さそうな上、遅くなる訳にもいかないということで、彼らは険しい山道へ踵を返したのだった。

直後、アルは不思議な声を聞いた。



――‟ごめんね”



「? 何だろ、この声……」



今にも消え入りそうで、切ないその声に妙に惹きつけられ、彼は空を見上げた。


その刹那、山脈の頂上から轟音が響き、彼が、噴火が起こったことに気付いた時には、先を歩いていたエドワードの足元が、崩れ落ちた後で。


岩に必死にしがみつき、深い奈落を背後にする兄の姿に、冷静さを失った彼は、慌てて駆け寄る。

大きな鎧姿で、狭い崖を移動しようとした彼を止めたのは、他でもない、兄の言葉だった。



「バカ野郎!! 近付くな!!」

「っ! でも……!」



叫んだ勢いで、エドワードが掴んでいた最後の砦、その小さな岩が音を立てて崩れる。



「っ! お前まで落ちる必要はない、アル! 必ず戻ってくるから、そこで待ってろ!!」



そう言い残し、エドワードは常闇へと姿を消した。



「そんな……兄さん……!!」



失意に暮れ、アルフォンスはその場に膝をつく。ザリ、と鈍い音をさせて、彼は感覚のない手を強く握り締めながら、己の力不足を嘆いた。

暫くして、彼の元へ、機敏な足音が近付く。



「! ……これハ……!」

「噴火で崩れたカ。なんて大きナ……」



駆けつけてきたリンたちは、大きく開いた穴に目を見開く。



「皆……」

「! アル、無事だったカ! なあ、エドはどこニ……!?」

「っそれが……」

「……おいおイ、冗談だロ……!?」



アルフォンスの力ない声に、リンはいよいよ、嫌な予感を現実として目の当たりにする。



「……助け、られなかった……!!」



絶望に満ちた声音で、アルフォンスは、拳を地面に叩きつけた。





そうして、各々の場所で、彼らが想定外の出来事を目の当たりにしてから、時は戻り


件の遺跡の中で、エドワードは……



「おいおい、なんなんだよこいつら……!?」



ぴょこぴょこと、上機嫌で飛び跳ねる大量のフロギーたちに、囲まれていたのだった――

【第11.5話】狭間の切望→←【第11話】変化の予兆



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設定タグ:undertale , 鋼の錬金術師 , 夢小説   
作品ジャンル:ファンタジー
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アンテ民 - Hi(^-^)/そこら辺にいる雑草コト、アンテ民でこざいま〜す!((いやぁ〜大好きな鋼錬とアンテが掛け合わせに推しのかしわ様が描いていらっしゃるとね、分かった瞬間吐血しましたねハイ(((更新頑張って下さい!!! (4月15日 2時) (レス) id: 677c09749a (このIDを非表示/違反報告)
エド推し - 初コメ失礼しましたマジ天才です!!!!!こんな神作品をつくってくれてありがとうございますッッ!!!!!! (2月24日 9時) (レス) id: 3dedb59794 (このIDを非表示/違反報告)
エド推し - マジ天才です!!!!!こんな神作品をつくってくれてありがとうございますッッ!!!!!! (2月24日 9時) (レス) id: 3dedb59794 (このIDを非表示/違反報告)
さささ―(プロフ) - 初コメ失礼します見ました!ものすごい面白かったです次の話が出るまで楽しみに待っています! (6月22日 4時) (レス) id: 03f3eacb33 (このIDを非表示/違反報告)
かしわ@低浮上気味本当にすみません……(プロフ) - 葛見さん» 葛見様、初めまして。そう言っていただけて大変嬉しいです……!更新が本当に遅くて申し訳ございません……頑張って書き続けますね……! (2023年4月5日 17時) (レス) id: 850b2caf1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かしわ | 作成日時:2022年9月12日 21時

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