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「…ミンギュから冷気がするんだけど」
とジト目で訴えると、さっきまで外にいたんだから仕方なく無い！？と反論された。
「もー、ビジネスシーンってなんでペディン来ちゃダメなの？良くない別に？」
ブツブツと言いながら、立ち上がったミンギュ。私もカップを持ってカバンを肩にかけた。
「私も、今日はスカートにするんじゃなかった」
折角のデートだからと選んだロングのタイトスカートは、温かい生地にしたものの足首にあまりにも酷な仕打ちだ。営業部なのでブーツが許されるはずもなく、薄いタイツではなんの意味もない。
カフェを出て、今日あったことを話しながら早歩きで駅へと向かった。帰り道とは反対方向の電車に乗って、ようやくミンギュの眉間のシワが無くなった。
1課に昇進したばかりの彼は、あっちこっちと走り回っていて、下がいないのと年末なのも相まって忙しない日々を過ごしている。
「…疲れた？」
口を閉じたミンギュに小さく聞くと、コクリと頷いた。
「待たせてごめん…ほんとは定時で上がるつもりだったんだけど」
「そんなに待ってないよ。今日もお疲れ」
背伸びをして彼の髪をポンポンと撫でると、力無く笑った。ここが電車じゃなかったら多分、ぎゅうぎゅうに抱きしめられていただろう。
目的の繁華街のある駅に着いて、電車を降りると同時にミンギュが右腕を差し出してくる。黙ってその腕に、自分の左腕を組む。
繁華街は尚のことクリスマスムードで、話題の大きなクリスマスツリーや、ありとあらゆる所に飾られている電飾で煌びやかだ。
「あ〜…俺今日は何杯でも飲めそう」
「酔いつぶれた時の介抱したくないから、制限してよ」
途中で寝るのだけはやめて欲しいと心から祈る。
2人で今度行こうと予約しておいた居酒屋へと足を運び、2階の席へと案内してもらった。ミンギュがメニューを取って見せてくれる。
「最初何飲む？生？」
「焼酎」
おっけー、と言ったミンギュ。彼が何個か美味しそうなおつまみを見繕ってくれて、注文してくれた。
「あ、そうだ。」
「ん？」
「今年の年末年始、いつまで実家にいる？俺2日までだから、もし3日までいるなら少し顔出すけど」
当たり前のように言ってくれる。答える前に、枝豆が来てしまった。ミンギュが嬉しそうに店員さんにお礼を伝えている。
「いいの？」
「勿論。俺の実家も、タイミングがいい時に遊びに行こ」
仕事も忙しいのに、そこまで考えてくれてたんだ。
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夏目(プロフ) - エルさん» エルさん、いつもいつも本当にありがとうございます(；；)一番試行錯誤した会社員ミンギュの現実感をお褒めいただけて胸がいっぱいです…！本当にいつも、私の伝えたいことや拘りを綺麗な文章にしてコメントを下さり、ありがとうございます！次作も頑張ります！ (2021年10月16日 21時) (
レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - まずはお疲れさまでした！繊細な感情のゆっくりとしたステキな描写が大好きだったので寂しい気持ちもあり、幸せな2人を見て満足な気持ちもあり^_^会社員のミンギュになんか現実感満載で←これ凄い 更に楽しめました！ありがとうございました^_^新作楽しみにしてます！ (2021年10月16日 2時) (レス) id: 2a8565ccfe (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - あやちょるさん» あやちょる様、定期的にコメントしてくださりありがとうございました！そう言っていただけて、本当に嬉しいです。こちらこそ、素敵なコメントをありがとうございました(；；)次回作も頑張ります！ (2021年10月15日 20時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - まるさん» コメントありがとうございます。最後まで楽しんでいただけてとても嬉しいです。私もまる様のコメントに安心して、心温まりました…次回作の応援までありがとうございます。これからも励んでまいります！ (2021年10月15日 20時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
あやちょる(プロフ) - 最後までお疲れさまでした。更新が毎回楽しみな作品でしたので、終わってしまうのが寂しいですが…素敵な時間をありがとうございました!新作も楽しみに待ってます! (2021年10月15日 16時) (レス) @page50 id: 702326c54a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏目
| 作成日時：2021年8月30日 7時
