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ミンギュside
モヤモヤした気持ちを発散させたくて、ビーチバレーに混ざることにした。Aの方を見ると、1人で海を見つめている。それだけでも絵になって、とても綺麗で。
「ミンギュ、負けたチームが二次会奢りな！」
同期が言ってくる言葉に「そうなの？」と返した。それでみんなあんなガチでやってたのか…。
毎年、社員旅行の宴会の二次会は、ストレス発散の場としてかなりの金額になる。軽い気持ちで参加したけど、Tシャツの袖を肩までまくる。
人数の少ないスンチョリヒョンのチームに入ると、ヒョンに見られた。
「お、思ってたよりすぐ来たな〜」
「……」
ヒョンは俺がライバル視してるって理解してるはずなのに、こうやって余裕に笑うんだから。俺も何をこんなムキになって……
ビーチバレーをしても、尚更モヤモヤするだけ。いつの間にかAはどこかに行ってしまって、俺の見えるところにいないことに不安が募る。
本当は、あんな顔が見たかった訳じゃない。
1試合終わって水を飲んでいると、スンチョリヒョンが隣にやってきた。
「お前ビーチバレーまで上手いんだな、あんなに飛ぶからビックリしたわ」
「ヒョンこそ、部活の部長みたいでしたよ。すぐバテてたけど」
ヒョンが笑って俺の肩を揺らす。手元にある冷やされたペットボトルが結露で濡れていた。
2人ともが黙って、波の音だけが砂浜に響く。
「ずっと、ヒョンに聞きたかったことがあるんです」
ん？とこちらを向いたヒョン。俺は唾を飲み込んで、ヒョンの方を向いた。
「…どうして、別れを受け入れたんですか？」
初めて、ヒョンの固まった表情を見た。動揺した様子で咳払いをしている。
ポタリ、と砂浜に結露の溶けた水がシミを作る。
「Aがどんなに辛くても、笑ってたから」
そのシミを見つめていると、ヒョンの言葉が頭から降りかかる。
「…今思うと、すごく怖かったんだと思う。俺も、Aと同じぐらい怖かったんだ。無理やり心の中を覗くのが」
伏せた瞳には、長い睫毛のせいで影ができていた。
「だからこの前久しぶりに、無理してない顔が見れて安心した」
その瞬間、Aの色んな表情が頭に浮かんで、同時に気持ちが流れ込んでくる。
「でも、」
俺が言葉を発するとヒョンが目をパチクリとさせて、顔を上げる。
「でも、Aはヒョンのことを尊敬してるし、感謝してます」
「…わかってるよ」
真剣な俺の表情を安心させるような言葉に、頷いた。
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夏目(プロフ) - エルさん» エルさん、いつもいつも本当にありがとうございます(；；)一番試行錯誤した会社員ミンギュの現実感をお褒めいただけて胸がいっぱいです…！本当にいつも、私の伝えたいことや拘りを綺麗な文章にしてコメントを下さり、ありがとうございます！次作も頑張ります！ (2021年10月16日 21時) (
レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - まずはお疲れさまでした！繊細な感情のゆっくりとしたステキな描写が大好きだったので寂しい気持ちもあり、幸せな2人を見て満足な気持ちもあり^_^会社員のミンギュになんか現実感満載で←これ凄い 更に楽しめました！ありがとうございました^_^新作楽しみにしてます！ (2021年10月16日 2時) (レス) id: 2a8565ccfe (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - あやちょるさん» あやちょる様、定期的にコメントしてくださりありがとうございました！そう言っていただけて、本当に嬉しいです。こちらこそ、素敵なコメントをありがとうございました(；；)次回作も頑張ります！ (2021年10月15日 20時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - まるさん» コメントありがとうございます。最後まで楽しんでいただけてとても嬉しいです。私もまる様のコメントに安心して、心温まりました…次回作の応援までありがとうございます。これからも励んでまいります！ (2021年10月15日 20時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
あやちょる(プロフ) - 最後までお疲れさまでした。更新が毎回楽しみな作品でしたので、終わってしまうのが寂しいですが…素敵な時間をありがとうございました!新作も楽しみに待ってます! (2021年10月15日 16時) (レス) @page50 id: 702326c54a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏目
| 作成日時：2021年8月30日 7時
