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暫く公園で話をした後に、ミンギュが美術館の半券を見せると10パーセント値引きしてくれるガラス細工のお店があることを教えてくれた。
「行こ」
もしかして、それって調べてくれてた？ミンギュは何でもない顔をしてるけど。
「俺最近家でラテアートしててさ、エスプレッソ入れるグラスが欲しいんだよねえ」
「ミンギュって趣味までミンギュだ」
「ふは、どういうこと？」
くだらない会話をしながら、お店へと向かう。ミンギュがスマホでルートを調べてくれた。
到着したガラス細工のお店は、窓にサンキャッチャーが掛けられていて少し眩しい。外から見えるショーケースに並べられたグラスは不思議な色に輝いていた。
休日で半券のキャンペーンも行われているからか、疎らに人がいる。
ミンギュが扉を開けてくれたことにお礼を言って、店内へと入る。
「わぁ」
私の後に入ったミンギュが声を上げた。店内は薄暗くて、とても静か。陳列されているガラス細工はどれも繊細で美しい。
冷房がとても効いていて、ひんやりとした空気が別世界にいる気分になった。
「寒い？着る？」
ミンギュが小声で私のシャツを見せてくる。
「これぐらいなら大丈夫。ありがとう」
早速エスプレッソ用のショットグラスのありそうなお店の隅の棚へと足を運んだ。通路が狭くて少しヒヤヒヤする。
「ミンギュ、通れる？」
振り返ると、呼吸をしてないんじゃないかと思うぐらい静かに歩いていたミンギュ。確かに、彼ならやりかねない。本人も自覚しているらしい。
少し低めの棚にショットグラスが並んでいた。金縁で装飾されていたものもあって、ミンギュは真剣に悩んでいる。
「ミンギュの作るラテアート、飲んでみたい」
独り言のように言うと、しゃがんでいたミンギュがそのまま私を見上げた。
あまりに爽やかな笑みに、心臓が大きな音を立てたような気がした。
「飲みに来てよ。いつでも作ってあげる」
俺のラテアートはバリスタ公認だから、と自慢げに言ってくる。
「じゃあ、今度行く」
そう答えると、今度は固まった。ショットグラスを手に持ったまま大きな背中が動かない。
窓にかけられていたサンキャッチャーが揺れて、私達のことを照らす。
「まさか本当に来るって言うなんて、…ほんと？ほんとだよ？」
「わかったわかった、行くから」
「シュアヒョンとか、ハウンヌナとか誘ったらダメだから」
「………」
「はい、は！？」
ミンギュって本当に表情がコロコロ変わる。
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夏目(プロフ) - エルさん» エルさん、いつもいつも本当にありがとうございます(；；)一番試行錯誤した会社員ミンギュの現実感をお褒めいただけて胸がいっぱいです…！本当にいつも、私の伝えたいことや拘りを綺麗な文章にしてコメントを下さり、ありがとうございます！次作も頑張ります！ (2021年10月16日 21時) (
レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - まずはお疲れさまでした！繊細な感情のゆっくりとしたステキな描写が大好きだったので寂しい気持ちもあり、幸せな2人を見て満足な気持ちもあり^_^会社員のミンギュになんか現実感満載で←これ凄い 更に楽しめました！ありがとうございました^_^新作楽しみにしてます！ (2021年10月16日 2時) (レス) id: 2a8565ccfe (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - あやちょるさん» あやちょる様、定期的にコメントしてくださりありがとうございました！そう言っていただけて、本当に嬉しいです。こちらこそ、素敵なコメントをありがとうございました(；；)次回作も頑張ります！ (2021年10月15日 20時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - まるさん» コメントありがとうございます。最後まで楽しんでいただけてとても嬉しいです。私もまる様のコメントに安心して、心温まりました…次回作の応援までありがとうございます。これからも励んでまいります！ (2021年10月15日 20時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
あやちょる(プロフ) - 最後までお疲れさまでした。更新が毎回楽しみな作品でしたので、終わってしまうのが寂しいですが…素敵な時間をありがとうございました!新作も楽しみに待ってます! (2021年10月15日 16時) (レス) @page50 id: 702326c54a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏目
| 作成日時：2021年8月30日 7時
