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ミンギュといると時間の流れが早くなる気がする。話が盛り上がっていたら、もう車のライトをつけないといけない時間になっていた。
どこかもわからない駐車場に車をとめるミンギュ。
「ねえ、ここどこ？」
「俺の地元。ほら、早く出て」
私はいつの間にかミンギュの地元に連れてこられていたらしい。スマホで見てみると、案外私の地元からも近くで驚いた。
助手席の扉を開けてくれたミンギュが、私の手首を掴む。
「あ〜！久しぶりにこんなに運転した〜！」
それがなんでも無いかのように言ってくる。
行こ、と手を引かれて見知らぬ階段を上った。
暗くなったと思っていた夏の空は見晴らしのいい場所へと行くと、まだ太陽が残っていて夜空と夕焼けが混ざっていることに気づく。
ビルや家の電気が段々とついて行く瞬間がとても美しくて見入ってしまった。
「ここ、地元にいる頃よく一人で来てたんだ」
その様子を眺めたミンギュが教えてくれる。
「この景色がすっごく恋しくなる時があるんだよねえ」
笑いながら言うけれど、やっぱり少し寂しげで。もうすぐ消えてしまいそうな夕焼けに照らされた彼の横顔が切なく見える。
夕方なのか、夜なのか曖昧な空は、まるで私たちの関係のようだ。
「今日もそういう日だった？」
ミンギュがこくりと頷く。
「前は1人でここ来て、ぼーーっとして帰ってたんだけどさ。」
「そっか」
「今日もそうしようと思ってたのに、運転してるうちにAに会いたくなっちゃった」
困ったように笑う彼の姿に絆されていく。
知ってしまった。ミンギュがこうやって笑うことを。
あんなにいつも明るく笑う彼も、冗談を言うと悪ノリしてくる彼も。
たくさん考え込んで煮詰まったら爪を噛んでしまうことも、それを私がどうにか辞めさせたいと思っていることも。
「あ」
ミンギュの声に反射的に顔を上げると、スマホを見て固まっている。無言で見せてきた画面には、ロック画面の時計が映っていた。
19時？？ドラマが配信される時間か。
「ごめーん！」
「いいよ別に」
明日から仕事があるし帰ろうか、と駐車場に戻ることになった。
何だか私まで気分がすっきりした気がする。肩の力が抜けたような感覚がした。
「ミンギュヤ」
「ん？」
私の前を歩いていた彼がこちらを振り返る。
「高校の時、…3年生の年に部活の地区大会出た？」
「出たよ〜」
私が口を開こうとした途端、後ろを向いたまま歩いていた彼が視界から消えた。
というか、転んだ。
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夏目(プロフ) - エルさん» エルさん、いつもいつも本当にありがとうございます(；；)一番試行錯誤した会社員ミンギュの現実感をお褒めいただけて胸がいっぱいです…！本当にいつも、私の伝えたいことや拘りを綺麗な文章にしてコメントを下さり、ありがとうございます！次作も頑張ります！ (2021年10月16日 21時) (
レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - まずはお疲れさまでした！繊細な感情のゆっくりとしたステキな描写が大好きだったので寂しい気持ちもあり、幸せな2人を見て満足な気持ちもあり^_^会社員のミンギュになんか現実感満載で←これ凄い 更に楽しめました！ありがとうございました^_^新作楽しみにしてます！ (2021年10月16日 2時) (レス) id: 2a8565ccfe (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - あやちょるさん» あやちょる様、定期的にコメントしてくださりありがとうございました！そう言っていただけて、本当に嬉しいです。こちらこそ、素敵なコメントをありがとうございました(；；)次回作も頑張ります！ (2021年10月15日 20時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - まるさん» コメントありがとうございます。最後まで楽しんでいただけてとても嬉しいです。私もまる様のコメントに安心して、心温まりました…次回作の応援までありがとうございます。これからも励んでまいります！ (2021年10月15日 20時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
あやちょる(プロフ) - 最後までお疲れさまでした。更新が毎回楽しみな作品でしたので、終わってしまうのが寂しいですが…素敵な時間をありがとうございました!新作も楽しみに待ってます! (2021年10月15日 16時) (レス) @page50 id: 702326c54a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏目
| 作成日時：2021年8月30日 7時
