となりのデスクのキムくん 2

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サンドイッチを食べている間は、さっきのことが嘘だったみたいにミンギュが喋るから私の勘違いか何かの間違いだったのかと思ってしまうぐらい。

ご飯を食べ終わると、ミンギュがカフェの方を振り返った。

そして、こちらに向き直す。

「追加で注文しない？俺甘いもの食べたくなってきた」

「いいよ」

快諾すると、ミンギュが嬉しそうに立ち上がる。メニュー表取ってくる！と行ってしまった彼はやはり大型犬だ。

戻ってきたミンギュが持ってきたのはメニュー表1つ。私に見せるように広げてくれた。

「パフェ美味そう〜」

「ガレットもある」

「うわ、これもいい」

ミンギュに合わせて答えたけれど、本当に甘いものが食べたくなってきた。真剣にメニューを眺めていると、さっきよりも少し距離の近いところからミンギュの声が聞こえる。

「さっきは急に驚くことしてごめん」

驚いて顔を上げると、ミンギュは本当に反省してるようで、眉を下げてこちらを見つめている。

「いや、そんな謝らなくても大丈夫だけど、」

単純に驚いただけで、嫌な気持ちになったわけじゃない。

「…ミンギュのことは信じてるし」

上手くニュアンスが伝えられているかはわからないが、そう付け加えるとミンギュが頷いた。

首の後ろに手を持って行って、言葉を探しているみたいだ。

バチリ、と目が合う。彼の綺麗な茶色の瞳には、さっきと同じ優しさと甘さが入り交じっている。

「それでも、やっぱりごめん。…何か、気持ちが先走った」

その言葉に、心臓がドキリと跳ねる。

さっきまで迷っていたミンギュの視線はもうこちらに向いていて、真剣な表情で言われたら頷くことしか出来なかった。

「さっきも言ったけど、俺にとってAはなんて言うか、特別だよ。これは本当に本当だから」

今の私には、その『特別』がどういう意味なのか、聞く勇気が無かった。あまりにも真剣なミンギュに、「うん、わかった」と素直に答える。

「その、さ、引いたりしてない？」

「してないよ」

慎重なミンギュが意外で、微笑んでしまう。私の笑顔を見て、ようやく安心したように表情を緩ませたミンギュ。



「私、ガトーショコラにする」

「うわ、いいな〜…俺は抹茶アイスにしよーっと」

今度は2人で立ち上がって注文をしに行く。

「抹茶アイスにしたけど…最近歯がしみるんだった……」

「2週間前から言ってない？早く歯医者行きなよ」

「嫌です〜」

虫歯があっても知らないよ、まったく。

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