隣のカフェのキツネさん 2

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貴方と出会った時の夢を見ながら、思った。

ウォヌくんには、幸せでいて欲しい。

「愛してます」

だから、彼に伝えようと決めたんだ。このたった5文字を、きちんと伝えようと。

私の好きなものを沢山増やしてくれる貴方に。

いつも自然体でいさせてくれて、私の味方でいてくれる貴方に。

私を愛してくれている貴方に。


彼は、私の言葉を聞いて少し、目を見開いた。


「…俺も、」

動揺しながらも、そう返してくれる。

「俺も、愛してるよ」

真っ直ぐ、私の目を見て言ってくれる。ウォヌくんの表情を見て、伝えてよかったと心から思った。


そのままカバンに入れていた誕生日プレゼントを渡す。『愛してる、だけでも十分なのに』と笑う彼が、嬉しそうにそれを見つめていた。

波の音が響いて、潮風が吹く。そのせいで揺れる私の前髪に、ウォヌくんがそっと触れた。

そしてそのまま、私の右腕を自分の方に寄せて今度は正面から抱きしめてくれる。


彼から聞こえる心臓の音が、いつもよりも少しだけ早く感じた。

「…4年経っても、約束の時間に起きて、綺麗でいてくれるAが好きだよ」

「約束の時間より早めに起きて、コーヒーをいれてくれるウォヌくんが、好き」

多分、これからもウォヌくんの一面を好きになっていくんだと思う。

彼の背中に手を回しながら、彼の方を見上げる。


「これからも幸せに、…なりましょう」

幸せにしてあげたい、それよりも、ウォヌくんと一緒に幸せになりたい。

「A、それってプロポーズ？」

「え、違、」

「プロポーズなら喜んで受けるけど」

クスクスと笑っている彼は、多分本気でそう言っているわけじゃない…と、思いたい。

「はは、冗談だよ。ちょっとからかいたくなった」

プロポーズはまだ先な、と付け足す彼に考えてくれていることを知った。

それが嬉しくて、ウォヌくんの首にぎゅっと抱きついても、全く動じずに受け止めてくれる。

そのまま、どちらからとも無く唇が触れた。




Fin

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