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ゼミの休憩中、ウォヌさんがふらりとどこかに消えたなと思ったら、手にエナジードリンクを持った状態で戻ってくる。
そして何を言うでもなく、私の隣の席に座ってきた。
「おいウォヌ、そこ俺の席なんだけど」
ウォヌさんのお友達であり、くじ引きで同じグループになった先輩が、彼に文句を言っている。
「今は俺の席」
「そんなことはないだろ」
「うん」
肯定した割には1ミリも動く気のないウォヌさん。私もつい笑ってしまう。
「そういえばウォヌさん、さっき発表についてよく分からないところがあったんですけど…」
「ん？どこ」
そうだった、と同じグループの先輩も思い出したようで、私のプリントを指さしている。
「この発表って、ここに書いてある資料の中から発表しないといけないんですか？」
「ううん。この資料じゃ補えないところもあるから、それは別に問題ないよ。あと資料は全部図書館にあるけど早めに借りないと他のグループに取られるから気をつけて」
「そうなんですね…ありがとうございます」
ウォヌさんが私のプリントを取って、先輩のボールペンを使い始める。そこにイルカらしきイラストと『がんばれ〜』と緩く書いてくれたウォヌさん。
「なんでイルカ？」
それを見ていた先輩がウォヌさんに聞いている。
「なんとなく」
その隣にはキツネも追加されていた。なんだか緩くて可愛らしいイラストだ。
チェ教授が戻ってくると、のそりと立ち上がるウォヌさん。先輩のプリントには適当な星マークが散りばめられていた。
「あいつ相変わらず自由だな…」
私は先輩の言葉に頷きながらも、笑みがこぼれる。このイルカが私で、キツネがウォヌさんってことかな。
よく見るとキツネさんは眠そうなゼットマークが描かれていた。キツネさん、相当眠いみたいだ。
グループの話し合いをしている彼は真剣に何か話しているけれど。
「そうだ、資料についてなんだけど…」
私は先輩の声が聞こえて慌てて我に返った。いけないいけない、大切な発表なのに。
ウォヌさんの書いてくれた『がんばれ〜』という文字に励まされて、私も集中することにした。
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夏目(プロフ) - ハナさん» ハナさん、最後までコメントありがとうございます！ハナさんのコメントが更新の支えになっておりました！私も2人のお話を楽しく書かせて頂いていたので、寂しい気持ちです……いつも素敵なコメント、励まされるコメントをありがとうございました！ (2021年7月21日 13時) (
レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 夏目さん！完結おめでとうございます！初めから終わりまで2人の間に流れる雰囲気と、流れる時間がとっても素敵で本当に大好きなお話でした！大好きすぎて完結が少し寂しく感じる程ですが、最後まで素敵なウォヌくんを書いてくださった夏目さんに本当に感謝しています^ ^ (2021年7月20日 13時) (レス) id: aea125837e (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - naokiさん» naokiさん、長い間お付き合いいただきありがとうございました！今回の作品も愛情を持って読んでいただけてとても嬉しいです。素敵なコメントと応援ありがとうございます。更新の支えになります！これからも頑張ります！！ (2021年7月18日 17時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
naoki(プロフ) - 完結おめでとうございます。ゆったりと流れる二人の穏やかなお話はとても素敵で、大好きな作品です。誕生日での完結も相まって、夏目さんの作品とウォヌさんへの敬意や愛が伝わります。更新お疲れさまでした。大好きです！これからも応援してます。 (2021年7月17日 22時) (レス) id: c546018bd1 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - kaiさん» kaiさん、コメントしてくださりありがとうございます。私もいつも完結はとても寂しい気持ちになります…2人の空気感を大切に書いたので、そう言っていただけてとても嬉しいです！私もどこかでまた、2人のお話を書きたいと思っております！本当にありがとうございます。 (2021年7月17日 18時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏目
| 作成日時：2021年3月4日 0時
