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カートに2人分のカゴを入れることにして、ヘソン先輩にお得な商品を教えて貰いながら買い物をすることにした。
「一人暮らしか、大変だね」
「ヘソン先輩は実家暮しですか？」
「うーん、実質一人暮らし中？親が海外で働いてるんだよね」
そうだったんだ…それでヘソン先輩もワン教授のゼミにいるのか。お、トイレットペーパー安いよ、と教えてくれる。
気付けば物凄い量になってしまっていて、お会計の後に先輩と2人で笑ってしまった。
「持って帰れる？車で来たから乗せてあげるよ」
「流石にそれは…」
良いから良いから、と手を掴まれて助手席に乗せてもらってしまった。車の中は熱気が籠っていたけれど、先輩がすぐにエアコンを掛けてくれる。
「お家どこらへん？何か目印とかある？」
「目印…あ、コントルっていうカフェが近くにあります」
カーナビを操作していた先輩の手が止まった。すぐにレバーに手をかけて、発進する。
何だか、車内はまだ暑さが消えてくれない。先輩が、「ごめん、少しだけ窓開けるね」と運転席側の窓を開けた。
暫く、沈黙が続いてしまう。
そっと彼女の方を見ると、片手で長い前髪を耳にかけていた。
「…私ね、ウォヌに振られたの」
ひゅるり、僅かだけど涼しい風が車内に入り込む。風は先輩の緩く巻かれた髪を揺らして、また外に出ていく。
「3年前？あ、いや…もう4年前か」
先輩が指を折って数えて、そう呟いた。目の前の信号が赤になったのでゆっくりと車が止まる。
「これでもさ、結構ウォヌと仲良くなれたと思ってたからショックだったなあ」
「…そう、だったんですね」
「困らせてごめんね。あんまり深刻に考えないで大丈夫だから。ほんとにもう、昔のことだしね」
ヘソン先輩はそう笑うけれど、ミラーに映る彼女はやっぱり悲しそうで。でも、笑ってくれているのは優しいからなんだと思う。
「好きになった人には、幸せになってもらいたいのに。私が告白した時、ウォヌが言ったの。」
信号が青になって、車が進んでいく。
「『お前みたいに、誰かを好きになったことがないから。ごめん』って。高校生の癖に一丁前に申し訳なさそうな顔してさぁ」
「………」
先輩みたいに、綺麗な人が告白したのに。ウォヌさんがそう言っている情景が目に浮かぶ。
「なのに大学で偶然再会しちゃってね。そしたら…」
と、そこで口を閉じてしまった先輩。
目の前には、コントルの看板があった。もう着いたんだ…
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夏目(プロフ) - ハナさん» ハナさん、最後までコメントありがとうございます！ハナさんのコメントが更新の支えになっておりました！私も2人のお話を楽しく書かせて頂いていたので、寂しい気持ちです……いつも素敵なコメント、励まされるコメントをありがとうございました！ (2021年7月21日 13時) (
レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 夏目さん！完結おめでとうございます！初めから終わりまで2人の間に流れる雰囲気と、流れる時間がとっても素敵で本当に大好きなお話でした！大好きすぎて完結が少し寂しく感じる程ですが、最後まで素敵なウォヌくんを書いてくださった夏目さんに本当に感謝しています^ ^ (2021年7月20日 13時) (レス) id: aea125837e (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - naokiさん» naokiさん、長い間お付き合いいただきありがとうございました！今回の作品も愛情を持って読んでいただけてとても嬉しいです。素敵なコメントと応援ありがとうございます。更新の支えになります！これからも頑張ります！！ (2021年7月18日 17時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
naoki(プロフ) - 完結おめでとうございます。ゆったりと流れる二人の穏やかなお話はとても素敵で、大好きな作品です。誕生日での完結も相まって、夏目さんの作品とウォヌさんへの敬意や愛が伝わります。更新お疲れさまでした。大好きです！これからも応援してます。 (2021年7月17日 22時) (レス) id: c546018bd1 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - kaiさん» kaiさん、コメントしてくださりありがとうございます。私もいつも完結はとても寂しい気持ちになります…2人の空気感を大切に書いたので、そう言っていただけてとても嬉しいです！私もどこかでまた、2人のお話を書きたいと思っております！本当にありがとうございます。 (2021年7月17日 18時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏目
| 作成日時：2021年3月4日 0時
