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ウォヌside
「ただいま」
「お邪魔しまーす」
家には鍵がかかっていたので、誰もいない。玄関の電気をつけて、靴を脱いでリビングへと進む。
牛乳、まだあったっけ、と思いながらリビングの電気をつけてキッチンの方へと進んだ。冷蔵庫を開けるとミンギュが来ることを予測してか、牛乳が2パックも入ってた。
牛乳のパックには付箋が貼ってあって、『ミンギュくん、いくらでも使ってね〜』とご丁寧にメモ書きが残してある。
既にシャツの腕をまくって手を洗っていたミンギュに、「今日は牛乳いくらでも使っていいって」と伝えると嬉しそうに反応している。
ミンギュが見たこともないような真剣な面持ちでエスプレッソマシンの前に立つ。俺は読み途中の課題本を片手にミンギュの様子を時々見るだけ。
「もうちょっと下げて、そこの位置保って」
「もっとカップ傾けた方がやりやすいよ」
「…これはちょっと、失敗だな」
今日でラテアートに挑戦して1週間。流石にまだ完璧とは言えないが、俺がバイトで習った時よりは格段に覚えが早い。
4杯目の挑戦をしていたミンギュが、急に口を開いた。
「ウォヌヒョンは、Aちゃんにラテアート作ってあげたりしてるんですか？」
「…1回だけ」
なんでそんなにAさんとのことを聞いてくるんだ、と思いながら本からミンギュに目線を移す。
「でも、飲んだ時微妙な顔してたからそれ以来は作ってないな」
「ふふっ、微妙な顔だったんだ」
あの時の、なんとも言えない彼女の顔を思い出す。
珍しくティータイムに友達と来ていた彼女が、勧められて何となく頼んでいたラテアート。
当時はまだAさんが紅茶しか頼んでいなかったから、オーダーを聞いた時に口に合うか不安だったけど。
『う、うん、美味しい』
あんなに信憑性のない、『美味しい』は初めて聞いた。結構綺麗に出来たが、彼女の口に合わないなら意味は無い。
「ウォヌヒョン、ヒョン！ヒョン！」
ミンギュが急に嬉しそうな声で俺の名前を呼ぶので我に返る。彼の手元を見ると、綺麗なハート型のラテアートが完成していた。
やったー！と喜んで、何度もスマホのカメラに収めるミンギュ。
「うん、温度もちょうどいいし美味い。よく出来てるよ」
「わー！これで今日から俺もバリスタだー！」
両手をあげて喜ぶミンギュを見てると、何だか微笑ましい気持ちになった。
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奈々ごん(プロフ) - 初めまして！久しぶりにきゅんきゅんする小説に出会いました。ありがとうございます！口角が上がってしまうくらい好きな小説です！ (6月13日 13時) (
レス) @page50 id: dda75e19fb (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - KYANAさん» 初めまして！楽しんでいただけて嬉しいです！応援ありがとうございます！励みにして頑張りますね！ (2021年2月9日 18時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
KYANA(プロフ) - はじめまして！最近見つけて読ませていただいているのですが、本当に最高です…！更新応援しています！！ (2021年2月9日 0時) (レス) id: 6aecb490a8 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - ハナさん» 感想をいただけると本当にモチベーションが上がるのでそう言っていただけて光栄です(；_；)！！ありがとうございます…！私もハナさんのこと大好きです！！！ (2021年1月29日 11時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 夏目さん» 素敵すぎてついつい感想を伝えたくなってしまって…！私こそ夏目さんのお話に癒しをもらってます！大好きです！！！(ただの告白) (2021年1月28日 23時) (レス) id: aea125837e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏目
| 作成日時：2021年1月15日 17時
