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ウォヌside

目の前の彼女は明らかに戸惑っていて、目をキョロキョロさせている。今朝の彼女はもっと落ち着いていたから、少し口角を上げてしまった。

手元に持っている本は、俺が丁度1年前に受けていた授業で使っていたものだ。

「あ、あの、じゃあ私本を返さないといけないので…失礼します」

ぺこりと頭を下げて、Aさんは行ってしまった。

ミンギュは「え、もう?」と唖然としている。






初めて会ったあの時から、彼女は何も変わってない。






「…ウォヌヒョン?どうかしました?」

「あ、いや別に。」

Aさんが本を返し終わってから、俺も借りていた本を返却する。その隣でミンギュが不満げに文句を言ってきた。

「ウォヌヒョン、彼女のこと気にかけてるなら連絡先とか聞けばいいのに」

「連絡先聞いてどうするんだよ」

と返すと、信じられない…という顔をされてしまった。

「そこから始まるものじゃないですか〜そうやってヒョンは全然恋愛に興味を示さないんだから」

司書さんが返却の手続きを終わらせてくれたので、カウンターから立ち去る。ミンギュのお口が止まる勢いはない。

「でも、」

俺が遮るようにそう言って立ち止まった。するとミンギュが急に口を閉じる。

「でも?」

「……でも、興味津々なミンギュもあんまり上手くいってないよな」

高校生から見てきたけどこいつが1年付き合った彼女は未だに見た事がない。これにはミンギュも何も言い返せないみたいで、「んん…?」と首を傾げるばかり。

「んん?」

ミンギュと同じく首を傾げてみると、ぶふっと吹き出された。汚い。さっきのことは無かったかのように、行きましょ、と歩き始めたミンギュ。

最近こいつは急にラテアートに目覚めた。俺の実家に置いてある父親が買ったエスプレッソマシンが目的で足繁く通ってくる。

「…なんにでも興味持つよな、ミンギュって」

「へへへ、挑戦したら習得したくなるタイプなんですよね」

しかし、こいつのこういう所、嫌いじゃない。

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奈々ごん(プロフ) - 初めまして!久しぶりにきゅんきゅんする小説に出会いました。ありがとうございます!口角が上がってしまうくらい好きな小説です! (6月13日 13時) (レス) @page50 id: dda75e19fb (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - KYANAさん» 初めまして!楽しんでいただけて嬉しいです!応援ありがとうございます!励みにして頑張りますね! (2021年2月9日 18時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
KYANA(プロフ) - はじめまして!最近見つけて読ませていただいているのですが、本当に最高です…!更新応援しています!! (2021年2月9日 0時) (レス) id: 6aecb490a8 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - ハナさん» 感想をいただけると本当にモチベーションが上がるのでそう言っていただけて光栄です(;_;)!!ありがとうございます…!私もハナさんのこと大好きです!!! (2021年1月29日 11時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 夏目さん» 素敵すぎてついつい感想を伝えたくなってしまって…!私こそ夏目さんのお話に癒しをもらってます!大好きです!!!(ただの告白) (2021年1月28日 23時) (レス) id: aea125837e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夏目 | 作成日時:2021年1月15日 17時

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