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ウォヌさんがゴールすると、ユアがすぐに私の方を見た。私も嬉しくてユアとハグしてしまう。
別の回で走っていたミンギュくんがウォヌさんに駆け寄って、ピョンピョン飛び跳ねているのが見えた。その姿を嬉しそうに見つめるウォヌさん。
終わったあとに声をかけたかったけれど、リレーが始まってしまうまでタイミングが合わずに時間が過ぎてしまった。
あっという間に最後のプログラムとなってしまった今は、もう空も薄暗い。ちょっと肌寒くなってきた。
ユア達と観客席で第1走者のミンギュくんを応援する。さっきの長距離とは違ってどんどん展開していくリレーを目で追っていく。
気付けばもう、ウォヌさんがスタンバイしている。アンカーのウォヌさんがバトンを受け取ると、その勢いのまま走っていった。前には2人の走者がいる。
ウォヌさんは決してペースを崩さずに、走り抜けていく。段々と前の人との距離が縮まってきて、あと1メートルないぐらい……
「やった！」
ゴールの手前でウォヌさんが僅かに前に出たのが見えた。
冷静に勝った割には、一眼レフが嬉しいのか飛び跳ねているのが見える。私も嬉しくて、ユア達とハイタッチ。
そして、みんなにお祝いしておいで、と言われて送り出されてしまった…
彼の元へ向かうと、丁度景品の一眼レフを貰っているところだった。ミンギュくんも嬉しそう。
「おめでとうございます！」
そう伝えると、ウォヌさんが顔を上げた。彼の嬉しそうに緩む顔は、夜空でもわかる。
「ありがと。今日の目的のものゲットできた」
ミンギュくんはと言えば、知らない間に他の学科の先輩と話している。気を使ってもらっちゃったかな…と思っていると、肩にジャージが掛けられた。
ウォヌさんが、今朝から持っていたジャージだ。
「試し撮りしてもい？」
お礼を言う前にそんなことを言われて、困惑しながらも頷く。フラッシュが眩しかったのと、驚きで何の表情もポーズも取れなかった。
けれど、ウォヌさんはカメラの画面を見て満足気に笑っていて。
「…夜でも綺麗に撮れるな」
なんて言って、その画面を眺めていた。そしてそのまま、私の顔を見ずに口を開く。
「帰り送ってく。もう大分暗くなったから」
取り敢えず皆のとこに戻るか、と言って歩き始めたウォヌさん。
「ありがとうございます…」
「寒くなってきたからチャックしめた方がいいよ」
少しだけ肌寒い春の夜に、ウォヌさんの優しい声と大きめのジャージの温かさが心地よかった。
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奈々ごん(プロフ) - 初めまして！久しぶりにきゅんきゅんする小説に出会いました。ありがとうございます！口角が上がってしまうくらい好きな小説です！ (6月13日 13時) (
レス) @page50 id: dda75e19fb (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - KYANAさん» 初めまして！楽しんでいただけて嬉しいです！応援ありがとうございます！励みにして頑張りますね！ (2021年2月9日 18時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
KYANA(プロフ) - はじめまして！最近見つけて読ませていただいているのですが、本当に最高です…！更新応援しています！！ (2021年2月9日 0時) (レス) id: 6aecb490a8 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - ハナさん» 感想をいただけると本当にモチベーションが上がるのでそう言っていただけて光栄です(；_；)！！ありがとうございます…！私もハナさんのこと大好きです！！！ (2021年1月29日 11時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 夏目さん» 素敵すぎてついつい感想を伝えたくなってしまって…！私こそ夏目さんのお話に癒しをもらってます！大好きです！！！(ただの告白) (2021年1月28日 23時) (レス) id: aea125837e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏目
| 作成日時：2021年1月15日 17時
