40 ページ40
ジュンside
おにぎりを食べながら緩くサッカーを観戦していた。隣のウォヌも水をちょっとずつ飲みながらサッカーを見てる。
「あの背が大きい子ってミンギュくんだっけ?」
ミョンホとよく一緒にいるミンギュくんは、たまにウォヌともいるのを見かける。ウォヌが「ああ。高校の後輩」と教えてくれた。
そう言えばミョンホはどこにいるんだろう。辺りを見回すと、Aちゃんと楽しそうに話しているのが目に入った。
「あ、Aちゃん来てくれたんだ!ウォヌの応援ついでに僕たちの武術見に来て〜って誘ったんだ」
ウォヌの水を飲もうとした手がピタリと止まる。え。
「…いつの間に仲良くなってんの」
「この前ミョンホとAちゃんの3人で僕達の寮でお茶会したんだ」
いやあ、あの時は色んな話ができて楽しかったな。思い出して口元が緩んだ。
ふとウォヌの方を見てみると、未だに水を飲もうとした手が止まっていて。
あれ?
ウォヌって、思ったよりもAちゃんのことが好きなの?
「ごめんごめん、ウォヌも誘えばよかったかな」
そう付け加えると、ウォヌは僕の心情を読み取ったのか笑って僕の方を見てくる。
「いや?楽しそうでいいじゃん」
そのタイミングでミンギュくんがゴールを決めた。ウォヌが「お、ナイス」と嬉しそうな表情で呟いている。
ミョンホ達の席を見てみると、Aちゃんとそのお友達2人が立ち上がって喜んでミンギュくんに手を振っていた。ミンギュくんも笑顔で手を振り返している。
何だか可愛らしくて、微笑ましい光景。
ウォヌはと言えば、まるで戯れる子犬を見ているかのような穏やかな表情でAちゃんの方を見つめていた。
「ふふ、可愛い」
半分ははしゃいでいる後輩ちゃん達に、半分は好きな子を見ているウォヌに向けた言葉。
けれどウォヌはほとんど僕の言葉が耳に入っていないみたいで「ん」とだけ返された。
この前のお茶会で『ゆっくりやっていけばいい』と言ったけれど、何だかそんな表情を見ていると言いたくなってしまう。
Aちゃんも、ウォヌのことすごく好きなんだよ。
だからちゃんと、上手くいってね。
「ウォヌってどうしてAちゃんのこと好きになったの?」
僕の言葉を聞いたウォヌが珍しく動揺した表情をした。
「いきなり何だよ」
「何となく気になってさ」
口元に手を当てたウォヌは暫く言葉を探して。
「教えません」
と、ご丁寧に断ってきた。
1405人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
奈々ごん(プロフ) - 初めまして!久しぶりにきゅんきゅんする小説に出会いました。ありがとうございます!口角が上がってしまうくらい好きな小説です! (6月13日 13時) (レス) @page50 id: dda75e19fb (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - KYANAさん» 初めまして!楽しんでいただけて嬉しいです!応援ありがとうございます!励みにして頑張りますね! (2021年2月9日 18時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
KYANA(プロフ) - はじめまして!最近見つけて読ませていただいているのですが、本当に最高です…!更新応援しています!! (2021年2月9日 0時) (レス) id: 6aecb490a8 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - ハナさん» 感想をいただけると本当にモチベーションが上がるのでそう言っていただけて光栄です(;_;)!!ありがとうございます…!私もハナさんのこと大好きです!!! (2021年1月29日 11時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 夏目さん» 素敵すぎてついつい感想を伝えたくなってしまって…!私こそ夏目さんのお話に癒しをもらってます!大好きです!!!(ただの告白) (2021年1月28日 23時) (レス) id: aea125837e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夏目 | 作成日時:2021年1月15日 17時