隣のカフェのキツネさん

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学部の席の近くに戻ると、みんな既に始まっていたプログラムを観戦していたり、準備したりお喋りしたり。自由に過ごしているのが見えた。

改めてウォヌさんがこちらに向き直す。

「じゃあ、また後で」

「はい、失礼します」

頭を下げてユア達の席に戻った。何かの話で盛り上がっていた4人がおかえりー！と迎えてくれる。ウォヌさんは奥の方の席でおにぎりを食べていたジュン先輩と合流しているのが見えた。

楽しそうに笑うユアの隣に座ると、「ミンギュ4競技も出るんだって」と盛り上がっている理由を教えてくれた。

よ、4競技！？

「元々3競技のつもりだったんだけど…昨日バスケの助っ人頼まれちゃったから」

ミンギュくんがあっけらかんと答えた。確か実行委員のお手伝いもしているのに。純粋にミンギュくんの体が心配になって、「そんなに色々して大丈夫？」と聞いてしまう。

「心配してくれてありがとう！でも俺体力はあるから！」

「それなら良いけど…熱中症とか気をつけてね」

ミンギュくんが何故か感動した様子で頷いている。

隣に座るソクミンくんとミンハオくんは呆れた様子でミンギュくんを見つめていた。

「何でもかんでも頼まれたこと安請け合いするからそういうことになるんだよ」

と、冷静なコメントをするミンハオくん。

「明後日筋肉痛で学校サボるなよ〜」

と、こちらも案外サッパリとした意見のソクミンくん。

ミンギュくんは慣れた様子で「はーい」と返事していた。この3人の空気感が面白くて好き。本当に仲良しなんだろうな。

早速1競技目であるサッカーを控えたミンギュくんとソクミンくんはグラウンドへと向かってしまった。頑張ってね〜と2人を見送る。

「ミンハオくんはどの会場で武術やるの？」

「ん？第2体育館だよ。」

確かお昼前だったはず。楽しみだな。絶対行くね、と彼に返す。

ユアは違う学科の高校の時の友達と偶然会ったみたいで、記念撮影するためにちょっとだけ離れたところにいる。

「先輩とは話せた？」

グラウンドの隅で体を解しているミンギュくんとソクミンくんを見ていると、同じくその様子を見守っていたミンハオくんが聞いてくる。

「うん、話せたよ」

さっきの、頭に乗せられた手のひらの感覚を思い出して少し顔が赤くなった気がする。軽く手で仰いでいると、ミンハオくんが笑みを浮かべた。

「ならよかった」

どうやら試合が始まるみたいだ。頑張って、と2人に手を振る。ユアも応援のために慌てて戻ってきた。

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