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「えっと、そろそろゼミの時間じゃないんですか？」
恥ずかしくなってしまってウォヌさんにそう言ってみると、「あと20分は大丈夫」と返された。
「毎週ここで20分寝てから行くから」
それでいいんだ…と思いながら頷く。窓から差し込む光がウォヌさんの綺麗な顔を照らしていた。身動きが取れずに動揺していると、手が離される。
何でこんなに、気持ちが動いてしまうのか。
座っていたウォヌさんが立ち上がり、ぐっと伸びをした。顔はまだ眠そう。
「キムさんはもう今日の授業、終わったんじゃないっけ」
欠伸をした後に彼が聞いてくる。
「いえ、この後ゼミの面接があります」
そう答えると、ウォヌさんの動きが固まった。目だけがキョロキョロと動いている。
「この後って、今日？」
「はい」
今日、ゼミがあるのはチェ教授だけ。つまり、今日はチェ教授のゼミの面接しかない。
「そっか」
「…頑張ります」
私が緊張しながら言った言葉に、クスリと笑ったウォヌさん。
「その面接、何時から？」
彼の意外な一言に顔を上げた。ウォヌさんは椅子に置いていたリュックを背負いながら私の返答を待っている。
「15時からです」
「ん、わかった」
一体、何がわかったんだろうか。ウォヌさんの言葉の真意を探っていると、彼が付け足すように口を開いた。
「終わりそうな時間に迎えに行く。」
「…え、」
「歓迎するから」
え、ええ？まだ言葉が上手く呑み込めず、立ち尽くしてる間に彼がスマホの時間を見て「じゃ、後で」と行ってしまった。
遠くなっていくウォヌさんの背中を見つめることしか出来ない。
迎えに行くって、どういうこと？か、歓迎って何を…？
まだ意味がわからないまま、首を傾げながらさっき彼が座っていた席の隣に座った。
クリアファイルからプリントを取り出し、よくある問答のシュミレーションをすることにした。
…………けれど、さっきの言葉が引っかかって中々集中できない。
「さっき、ビックリした…」
右手に残る彼の体温。手の感覚。
どうして、手を握ってくれたんだろう。分からないことばかりで、考えることを一旦諦めた。
今は面接の対策に集中しよう。
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奈々ごん(プロフ) - 初めまして！久しぶりにきゅんきゅんする小説に出会いました。ありがとうございます！口角が上がってしまうくらい好きな小説です！ (6月13日 13時) (
レス) @page50 id: dda75e19fb (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - KYANAさん» 初めまして！楽しんでいただけて嬉しいです！応援ありがとうございます！励みにして頑張りますね！ (2021年2月9日 18時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
KYANA(プロフ) - はじめまして！最近見つけて読ませていただいているのですが、本当に最高です…！更新応援しています！！ (2021年2月9日 0時) (レス) id: 6aecb490a8 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - ハナさん» 感想をいただけると本当にモチベーションが上がるのでそう言っていただけて光栄です(；_；)！！ありがとうございます…！私もハナさんのこと大好きです！！！ (2021年1月29日 11時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 夏目さん» 素敵すぎてついつい感想を伝えたくなってしまって…！私こそ夏目さんのお話に癒しをもらってます！大好きです！！！(ただの告白) (2021年1月28日 23時) (レス) id: aea125837e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏目
| 作成日時：2021年1月15日 17時
