21 ページ21
お昼ご飯を食べよう、と今日はユアと2人で食堂に行くことにした。
ウォヌさんと話すようになった経緯を簡単に説明すると、ユアは楽しそうにはしゃいでいる。
「何それー！めちゃくちゃキュンキュンするね」
はしゃぎ過ぎてユアの短めのボブの毛先が揺れている。喜び方から『女の子』って感じがして可愛い。
「そんなに喜んでくれるなんて思ってなかったよ」
私が笑いながらお茶を飲んでいると、ユアの後ろをジュニ先輩が通ったのが見えた。
あ、と思っているとジュニ先輩の隣にウォヌさんを見つける。
ウォヌさんが空いている席を探しているのか周りを見回していて、また目が合ってしまった。
「ん？」
ユアが振り返って彼を見つける。私からはユアの表情は見えないけど多分とんでもなく驚いた顔してるんだろうな。
「あ、空いてる席あったよー」
ジュニ先輩はまだこちらには気づいておらず、そのまま通り過ぎてしまう。ウォヌさんも、少しこちらを見た後に行ってしまった。
「話しかけに行ったら！？」
ユアが興奮した様子で私の方に向き直した。私は取り敢えずお茶を置く。
「だ、大丈夫…」
「なんで？」
「だって多分、彼女さんいるみたいだったし。邪魔になるよ」
ペットボトルのお茶のパッケージを見ながら呟いた。すると、ユアが眉をひそめて答える。
「あ〜、今朝の人？確かに綺麗な人だったけど…」
そう言う、誰かの恋事情を邪魔してしまうのは気が引ける。
うーん、と2人で悩んでいるとユアが私の後ろを見上げた。彼女の表情がぱっと驚いた表情に変わる。
「ユア？」
「…ウォヌさんは彼女さん、いるのかな？」
ユアの言葉に、若干違和感を覚えると後ろから声が聞こえてきた。
「いないよ」
それはまるで、私に向けたような口調。
その声を聞いて、体が固まる。え、どこから聞かれてたんだろう。まだ振り返ることは出来ない。
「初めまして〜、ユン・ユアと申します」
「初めまして。…チョンです」
ユアが目で訴えている。早く振り返れと。
それを見て渋々振り返ると、眼鏡をかけたウォヌさんが思ったよりも近くに立っていた。
「チョンさん、どうされました？」
と聞いてみると、少しムッとした顔をされる。
「ウォヌ」
ご丁寧に訂正されてしまった。
「あ、ウォヌさん」
「うん」
呼び直すと、ウォヌさんは満足そうに笑って頷いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1405人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
奈々ごん(プロフ) - 初めまして！久しぶりにきゅんきゅんする小説に出会いました。ありがとうございます！口角が上がってしまうくらい好きな小説です！ (6月13日 13時) (
レス) @page50 id: dda75e19fb (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - KYANAさん» 初めまして！楽しんでいただけて嬉しいです！応援ありがとうございます！励みにして頑張りますね！ (2021年2月9日 18時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
KYANA(プロフ) - はじめまして！最近見つけて読ませていただいているのですが、本当に最高です…！更新応援しています！！ (2021年2月9日 0時) (レス) id: 6aecb490a8 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - ハナさん» 感想をいただけると本当にモチベーションが上がるのでそう言っていただけて光栄です(；_；)！！ありがとうございます…！私もハナさんのこと大好きです！！！ (2021年1月29日 11時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 夏目さん» 素敵すぎてついつい感想を伝えたくなってしまって…！私こそ夏目さんのお話に癒しをもらってます！大好きです！！！(ただの告白) (2021年1月28日 23時) (レス) id: aea125837e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夏目
| 作成日時：2021年1月15日 17時
