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次の週の月曜日、学生課にゼミの志望書を出しに行くと見覚えのある人がいた。
「あ、ソクミンくん」
「Aちゃん!おはよう」
「おはよう」
Aちゃんも提出しに来たんだ、と私の手元のプリントを見てくしゃりと笑うソクミンくんは今日の為に頑張って起きて来たのか寝癖がついていた。
それを見て微笑ましく思いながら「後ろの髪の毛跳ねてるよ」と伝える。
「え、嘘、全然気付かなかった」
「ぴょんって跳ねてる」
恥ずかしい〜と言って慌てて髪の毛をおさえるソクミンくん。それでも寝癖はしつこくて、ずっと跳ねている。
「ソクミンくんって意外と癖毛?」
「うん、かなり癖毛な方だと思う」
「良かったら私の櫛使って」
カバンから取り出すと嬉しそうにそれを受け取る彼。何度か髪の毛を梳かすとすぐに寝癖は無くなった。
「ありがとー、助かった」
ソクミンくんから櫛を返してもらって志望書を2人で無事提出できた。
「ソクミンくんはどのゼミにしたの?」
「ミンギュに誘われてパク教授にしたよ〜」
やっぱり人気なんだな、パク教授のゼミ。
「Aちゃんは?」
「私は、」
答えようとしたところで、ユアがやって来たのが見える。ソクミンくんと2人で「おはよう」と挨拶をした。
ユアが「志望書もう出した?」とクリアファイルから取り出しながら聞いてくる。
「うん、もうソクミンくんと出したよ」
「オッケー、じゃあ私も出してくる!」
ユアが見せてくれた志望書は、第一志望から第三志望までパク教授の名前があった。
それ、パク教授が選んでくれなかったらどうなるの?と思いながらソクミンくんの方を見ると楽しそうに笑っている。
「よし、教室行こー!」
ユアが走ったせいで崩れた前髪のままこちらへやって来たので、手を伸ばして直してあげる。
「行こー!」
隣のソクミンくんもノリノリで楽しそう。
「ミンギュくんはもう提出したの?」
「あいつしれっと先週の金曜に提出してたらしくてさ!?昨日の夜聞いてビックリしたよ!提出日前に出しといた方がちゃんと読んでもらえるからとか言ってさ…それなら俺にも教えてくれ…」
「はは、ミンギュって先輩とか先生のツテが凄いからしれっと賢いことしてるよね」
ソクミンくんがユアの話を聞いて、やれやれと言った表情をする。
3人で教室に向かう途中、向こう側からウォヌさんが歩いてくるのが見えた。
彼の隣には、ミンギュくんでもジュニ先輩でも無く、背の高い女性がいた。
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奈々ごん(プロフ) - 初めまして!久しぶりにきゅんきゅんする小説に出会いました。ありがとうございます!口角が上がってしまうくらい好きな小説です! (6月13日 13時) (レス) @page50 id: dda75e19fb (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - KYANAさん» 初めまして!楽しんでいただけて嬉しいです!応援ありがとうございます!励みにして頑張りますね! (2021年2月9日 18時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
KYANA(プロフ) - はじめまして!最近見つけて読ませていただいているのですが、本当に最高です…!更新応援しています!! (2021年2月9日 0時) (レス) id: 6aecb490a8 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - ハナさん» 感想をいただけると本当にモチベーションが上がるのでそう言っていただけて光栄です(;_;)!!ありがとうございます…!私もハナさんのこと大好きです!!! (2021年1月29日 11時) (レス) id: e14acee8c3 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 夏目さん» 素敵すぎてついつい感想を伝えたくなってしまって…!私こそ夏目さんのお話に癒しをもらってます!大好きです!!!(ただの告白) (2021年1月28日 23時) (レス) id: aea125837e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏目 | 作成日時:2021年1月15日 17時