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9ct:変わらせたくて ページ10

ピンポーン

僕はとうとうかと思った。

エメ「僕もついてく。」

アイについていった僕は、彼を見ながら瞬時に動けるように身構えた。

?「アイ…ドーム公演おめでとう。三つ子の子供は元気?」





身構えて正解だった。
アイを守れた。
とはいっても、アイにも少し刺さっちゃったけど。
死ぬほどではない。
僕は死ぬだろうけど。
アイは生きていられるだろう。

けど、アイも痛みに苦しんでる。
意識不明状態が妥当かな。

?「ふはっ、痛いかよ!!俺はもっと痛かった!!苦しかった!アイドルのくせに、子供なんて作るから!ふぁっ、ファンを裏切るふしだら!ファンの事、蔑ろにして裏ではずっとバカにしてたんだろ!!この嘘吐きが!!散々、好き好き釣っておいてよ!!全部嘘っぱちじゃねぇか!!」

あー、ヤバっ、痛いや。
やっぱりキツいや。

アイ「私なんて元々無責任で、どうしようも無い人間だし、人を愛するってよく分からないから、私は代わりに皆が喜んでくれるようなきれいな嘘を吐いてきた。いつか、嘘が本当になる事を願って。頑張って努力して、全力で嘘を吐いてたよ。私にとって嘘は愛。私なりのやり方で愛を伝えてたつもりだよ。君たちの事を、愛せてたかは分からないけど、愛したいと思いながら、愛の歌を歌ってたよ。いつかそれが、本当になるって事を願って。今だって君の事、愛したいって思ってる。」

『誰かのことを愛したこともないそんな私の嘘がいつか本当になること信じてる。』

アイドルの歌詞にもあったな。
こんなの。
パソコンにデータ残ってるから、いつか聴かせたかったなぁ...。

?「嘘吐け・・・!俺の事なんて覚えてもないんだろ?見逃してもらおうと・・・!」

アイ「リョースケ君、だよね?よく握手会来てくれた。あれ?違った?ごめん、私、人の名前覚えるの苦手なんだ。お土産でくれた星の砂、嬉しかったな。」

リョースケ「んだよそれ、そーいうんじゃ、ああああああ!!」

罪悪感を持ったか。
あっはは、弱いなぁ...。

アクアが救急車呼んでくれたみたい。

アイ「エメ...大丈夫?」

エメ「うーん...どうだろう...?」

アクア「喋るな!!」

いや、喋らなくともどうせ死ぬし。
なら最後は話しておきたいから。

アイ「今日のドームは、中止になっちゃうのかな・・・。皆に申し訳ないなぁ。映画のスケジュールも本決まりしてたのに、監督に謝っておいて。」

エメ「アイも楽しみにしてたもんね。」

あー...いってぇや。
やっぱ死ぬんだな。

10ct:死が近くても→←8ct:幼稚園児じゃない幼稚園児達



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作者名:幽霊 | 作成日時:2023年5月25日 20時

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