『Secret_Vol.6』 ページ7
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昔から、自分を隠すことはそんなに苦手ではない。
自分が我慢することによって相手を喜ばせることができるなら。
相手を少しでも楽しみの世界に導けるなら。
もしそうなのであれば、どんなことだって隠し通せたし、我慢もできたからだ。
それなのに。
藤井さんへの気持ちは、我慢というコマンドを知らないかのように溢れていく。
｢･･･あかん、やろ｣
藤井さんには、実の息子である夏希くんがいる。
それは即ち、奥さんがいたという証。
奥さん、ということは当たり前ではあるが女の人であり。
何かあってお別れしているとはいえ、ダメに決まっている。
｢どないしよ｣
｢なぁお前さっきからぶつぶつ言ってるけどなんかあったか？｣
｢うぇ？｣
｢いやうぇ？じゃなくて｣
いつの間にか独り言として周りに放たれていたらしい。
よく一緒に食堂で昼食をとる友人に声をかけられてようやく気付いた。
カレッジ内の食堂でバツイチの男性の事を恋愛対象として考えている男子大学生。
･･･これ以上考えるのはやめておこう。
この場にいる人間としておかしいし、何よりボロが出たら困る。
もし同性愛者だということが周りにバレたら、どんな反応をされるのだろう。
母親みたいに、俺の存在を全否定するのだろうか。
何にせよ、今まで通りではいられないと。
｢何でもない、ちょっと寝ぼけてただけやで｣
｢え、ちょ、おい智洋｣
心配してくれる友人をよそに、俺はその場を一旦離れた。
これ以上何も心配されないように。
自分の居場所を、守れるように。
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岡本まどか(プロフ) - にらさん» コメントありがとうございます！出会えてよかったとまで言って貰えるなんて･･･恐縮です笑 これからもよろしくお願いいたします^^* (2021年2月12日 17時) (
レス) id: 36ad40152b (このIDを非表示/違反報告)
にら - えっ、好きすぎるんですけど？世界観最高すぎやしません？？ほんまにこの作品に出会えてよかったですわ笑更新頑張ってくださいっ！ (2021年2月11日 22時) (レス) id: 34a7964571 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：岡本まどか | 作成日時：2021年2月10日 22時
