「Secret_Vol.20」 ページ21
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そして、ふと我に返る。
平日の夜9時過ぎにいきなり近所の大学生の家に突撃してそのまま｢愛してる｣なんて。
改めて考えると本当におかしい。
人間としての常識が抜け落ちるぐらい、俺は彼に狂っているみたいだ。
｢強くなんか、ないです｣
そんな俺を狂わす彼は、いつもの調子に戻りつつある。
･･･と思っていたが、違うらしい。
どうやら彼も彼で冷静になって自分の発言を脳内で再生していたようで。
俺の言葉に答えるや否や、その可愛くて綺麗な顔をそらしてしまった。
耳と首筋の辺りが真っ赤である。
目をそらしたのは照れ隠しだと、すぐに分かった。
｢･･･ごめんな、いきなり来ていきなり告白して｣
｢そこに関しては、本当に嬉しいので全然気にしてない、ですけど｣
｢けど？｣
｢その･･･恥ずかしいのと｣
なにか続きそうな言葉の発し方をして、黙り込む神ちゃん。
まだ彼の中になにか残っているのか。
解らない。
神ちゃんは俺ではないから、彼の考えや立場は俺には理解できないことが当たり前だが多くある。
彼が思っていた以上に俺の家庭環境を気にしてたこと、自分の家族に縛られ続けたこと。
他に今、何がある。
彼のことをどうにか理解したくて、考える。
俺はこういう時に脊髄反射的にいい返しができるタイプでは無いので、次に彼が発する言葉が何かを先に考えてからでないと何も口に出せないのである。
沈黙が続く。
これは、俺から何か話しにいくべきなのだろうか？
そういえばそもそも、俺たちの関係は今どうなっている。
付き合っているという前提でいいのか？
いや、男同士で付き合っているという自覚を持った上であれやこれやするのはきちんとお互いの気持ちが落ち着いてからでないとまず難しい。
この世には、なぜ性別という概念が存在してしまうのか。
また何をもって男と呼ばれ、女と呼ばれるのか。
なぜ男と女が付き合うことが普通なのだろうか。
｢･･･男同士で付き合ってるって、やっぱり普通ではいられないじゃないですか｣
｢え･･･？｣
俺の思考を引きちぎる彼の声。
｢俺は、世間の普通に囚われすぎて本当の【普通】がよく分からなくなってきて｣
ぽつり、ぽつりと言葉が紡がれる。
｢普通じゃない事。それって、多分危険なんですよ。この世から存在が消えてしまうかもしれないから｣
｢うん｣
｢だから、男同士で付き合ったら、この世から消えちゃうのかもしれないなって｣
｢消え、る、って？｣
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岡本まどか(プロフ) - にらさん» コメントありがとうございます！出会えてよかったとまで言って貰えるなんて･･･恐縮です笑 これからもよろしくお願いいたします^^* (2021年2月12日 17時) (
レス) id: 36ad40152b (このIDを非表示/違反報告)
にら - えっ、好きすぎるんですけど？世界観最高すぎやしません？？ほんまにこの作品に出会えてよかったですわ笑更新頑張ってくださいっ！ (2021年2月11日 22時) (レス) id: 34a7964571 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：岡本まどか | 作成日時：2021年2月10日 22時
