「Secret_Vol.2」 ページ3
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｢とも兄！｣
｢夏希、今日も遊べて嬉しいわぁ｣
｢いっつもありがとな？俺がおらん時にも夏希のこと見てくれて｣
｢全然･･･大丈夫です。むしろ楽しいですし｣
そう言って微笑む神ちゃん。
ただ正直、俺は怖い。
神ちゃんがいつまで経っても敬語のままなこと。
そして、初めの日以来1度も目を合わせて話してくれないこと。
3年4年経った今でもずっと変わらぬまま。
初めて会った時に、彼の前で泣いたのがいけなかったのだろうか。
あの時、神ちゃんは｢大丈夫ですか｣と声をかけてくれた。
俺は心配で、隠していた泣き顔を持ち上げて｢変なやつに見られてたらすみません｣と返した。
確かにあの時は、目が合ってた。
彼は｢変ではないですよ？｣と返してくれた。
･･･それ以来神ちゃんは目を合わせなくなった。
あの言葉は嘘だったのだろうか。
図らずともそうとってしまう俺自身が女々しくて仕方ない。
ただ何にせよ、そんなに好かれてないことだけは恐らく当たっている。
いや、どちらかというと好かれてないというより｢認識されてない｣の方が近いのかもしれない。
そんな事を内に秘めたまま、何年も時が過ぎてしまった。
いつかの春頃、どうして夏希とこんなに遊んでくれるのか聞いたことがある。
神ちゃんは、
｢楽しいから、それだけです｣
とだけ言った。
その時、何となく悟った。
彼の目には、俺のことはほとんど映ってないのだと。
優しい彼だから直接伝えたりはしないものの、そういう事なのだ、と。
俺はただのしがない会社員。
周りと同じように普通に生きて、あまり意味もなく歳を重ねて。
そんな風にして、年齢と経歴だけが内面の俺を置き去りにして勝手に大人になって。
嫁さんとも上手くいかないまま、夏希のこともあまり考えず離婚という選択肢に辿り着いてしまって。
そんな情けない上辺だけの大人が、今をときめく学生さんの目に映るわけがない。
それだけの話だった。
･･･はずなのに。
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岡本まどか(プロフ) - にらさん» コメントありがとうございます！出会えてよかったとまで言って貰えるなんて･･･恐縮です笑 これからもよろしくお願いいたします^^* (2021年2月12日 17時) (
レス) id: 36ad40152b (このIDを非表示/違反報告)
にら - えっ、好きすぎるんですけど？世界観最高すぎやしません？？ほんまにこの作品に出会えてよかったですわ笑更新頑張ってくださいっ！ (2021年2月11日 22時) (レス) id: 34a7964571 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：岡本まどか | 作成日時：2021年2月10日 22時
