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Aside
それから先生は、私のために警察に連絡してくれたり、児童保護施設に相談をしたりと親身になって面倒を見てくれた。
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それからしばらくしてだった。私が明日、いよいよ児童保護施設に入ることになっていたあの、大雨の降る日。
私の心をぐちゃぐちゃにする事件が起こる。
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保護施設からの帰り道、私は先生と手を繋ぎ家路についていた。
担「Aちゃん。いよいよ明日だね。施設は大丈夫そう?」
貴「うん!...先生、ありがとう。」
先生は手を繋いだまま、私の方を見て目を見開く。
それもそのはずだ。あの家庭環境の中で育った私は人にありがとうどころか挨拶すらできていなかった。それなのに...。
あの時、私は先生に心を開き始めていたのだろうと今になって思う。
その時だった。
担「明日、またその笑顔を見せ...」
先生が私に言おうとした時、先生の顔が視線の先で固まる。
貴「先生?」
担「Aちゃん、逃げて。」
貴「え?」
先生の向ける視線の先に自分の視線を合わせる。
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貴「...っ!!」
私はその場から動くことすら出来なかった。
弓野の視線の先には、
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縁を切ったはずの弓野の父親がナイフを持って仁王立ちしていた。
担「...何しにいらっしゃったんですか?もうAちゃんとは縁を切ったはずです。」
父「...うるさい。そいつは俺の娘だ。娘の教育は俺がする。余所者は引っ込んでろ!」
どの口が俺の娘だなんて言葉言ってんの?これまで散々暴力振るって来たくせに。
口にはしないものの、頭の中でぐるぐると想いがループする。
そんな時、先生が私の気持ちを汲み取ったかのように口を開けた。
担「それって、どんな教育ですか?あなたのおっしゃる教育って暴力を振るうことですよね?」
父「...。」
担「Aちゃんが私に相談をしてくれた時、言ってました。私には相談をする人どころか、私を痛めつけることをする人しかいないって。」
父「...るさい。うるさい。うるさいうるさい!そいつは私の娘なんだ!お前になんか指図される筋合いはない!」
そう言って父は先生の元へ走り出す。
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一瞬の出来事だった。
目の前が血の海と化した。
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彩架(プロフ) - 21の「道」→「未知」ですよ (2018年10月27日 23時) (レス) id: d02e226a01 (このIDを非表示/違反報告)
AK - 41 「重症」が「受賞」になってます (2018年10月1日 9時) (携帯から) (レス) id: cb44cdb910 (このIDを非表示/違反報告)
すとろべりー(プロフ) - lovemimiさん» アンケートありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいばかりです。 (2018年9月18日 22時) (レス) id: 69bfdd0b73 (このIDを非表示/違反報告)
すとろべりー(プロフ) - 桜さん» アンケートありがとうございます!更新頑張ります! (2018年9月18日 22時) (レス) id: 69bfdd0b73 (このIDを非表示/違反報告)
すとろべりー(プロフ) - ミカドさん» アンケートありがとうございます! (2018年9月18日 22時) (レス) id: 69bfdd0b73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すとろべりー | 作成日時:2018年9月5日 21時