38 ページ38
鉄筋で腹部を貫かれた男性、杉原誠。
彼の腹部を貫いた鉄筋は後部のガソリンタンクの辺りにまで達していた。
貴「挿管する。」
弓野はドアを開け、中に入った。
藍「輸液準備。」
雪「はい。」
雪村は頷き、手早く準備を始める。
藍「分かりますか?」
藍沢が声をかけるが杉原は反応しない。弓野が挿管している間に藍沢がラインを取る。
、
、
その様子を見ていた若い男性に弓野は気づいた。年齢は20代だろう、こんな状況だが比較的落ち着いている。医療関係者か何かか?と弓野は疑問に思った。
弓野は杉原に人工呼吸器を付けながら救急隊員に尋ねた。
貴「ご家族の方ですか?」
救「杉原剛志さん。息子さんです。運転席にいたそうです。この男性は杉原誠さん。49歳です。」
救急隊員がハキハキと答える。
その横でバイタルチェックをしていた雪村が声を上げる。
、
雪「血圧70です!」
雪村の声に弓野が振り返った。
貴「まずい。...救出まで何分くらいですか?」
その時、車の下でバンッ!という爆発音と共に炎が舞い上がった。
エコーを置いた藍沢が叫ぶ。
藍「引火するぞ。離れろ!」
消「カッター中止!消化剤!」
レスキュー隊員の迅速な対応もあり、火は燃え広がることなく鎮火された。
藍「大丈夫か?」
貴「うん。ありがと。」
藍沢は弓野の様子を伺い、心配する。
弓野はすぐにレスキュー隊員に振り返って尋ねた。
貴「レスキュー!状況は?」
レ「鉄筋がガソリンタンクを傷つけていて、切断の際の火花が引火したと思われます。エンジンカッターは使えません。エアソーで切ります。」
貴「どれくらいかかるんですか?」
レ「1時間くらいはかかるかと...。」
その時、弓野の背後から雪村の声がした。
雪「橈骨動脈の触れ、弱いです。」
貴「ルート増やそう。」
弓野の表情が険しくなる。このままの状態では1時間ももたない。
、
、
、
弓野の表情を汲み取ったのか、藍沢は弓野に話しかけた。
藍「前は3メートル、後ろもおそらく2メートルくらいはあるだろう。一気に抜ける長さじゃない。」
、
、
、
、
、
雪村は剛志の存在を思い出す。医者の生々しい会話を聞いていれば、不安になるだろう。そう思い、雪村は剛志の元へ駆け寄った。
雪「心配...ですよね。でも危険ですから、もう少し向こうで待ちましょうか。」
字数の関係で次に行きます。
580人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
彩架(プロフ) - 21の「道」→「未知」ですよ (2018年10月27日 23時) (レス) id: d02e226a01 (このIDを非表示/違反報告)
AK - 41 「重症」が「受賞」になってます (2018年10月1日 9時) (携帯から) (レス) id: cb44cdb910 (このIDを非表示/違反報告)
すとろべりー(プロフ) - lovemimiさん» アンケートありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいばかりです。 (2018年9月18日 22時) (レス) id: 69bfdd0b73 (このIDを非表示/違反報告)
すとろべりー(プロフ) - 桜さん» アンケートありがとうございます!更新頑張ります! (2018年9月18日 22時) (レス) id: 69bfdd0b73 (このIDを非表示/違反報告)
すとろべりー(プロフ) - ミカドさん» アンケートありがとうございます! (2018年9月18日 22時) (レス) id: 69bfdd0b73 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:すとろべりー | 作成日時:2018年9月5日 21時