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捲し立てるように今の自分の想いの丈を全力で言い放った。
有岡大貴、人生において初めての告白。
言い切った後にやってくるものは、恐怖だった。
背中にじっとりと流れる汗、テーブルの下で握る手が小刻みに震えている。
「私も有岡さんが好きです」
優しくて凛とした声が耳に流れてきた。
「えっ....」
「有岡さんがここに来てくださるのを心の隅でいつも楽しみにしていました。正直、私なんかが有岡さんのこと好きになったら迷惑だと思ったんでずっと隠してたんですけど....有岡さんが私のことを求めてくれるなら....」
そこまで言うと伊野尾さんはこちらまで歩み寄って、俺が隠していた手をそっと両手で包み込んだ。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
ふわり、俺が大好きなひまわりみたいな笑顔で微笑んだ。
「ふっ....くっ、うぅ....」
「あ、有岡さん!?」
「ごめっ....なさい....嬉しくて」
涙が、後から後から流れてきて止まらない。
本来こんなみっともないところ見せるべきではないのかもしれないが、どうしようもないのだ。
「私も嬉しいですよ。まさか、こんなことになるとは夢にも思いませんでした....
....しかも、あんな熱烈な告白初めてですし」
「えっ....?」
伊野尾さんの顔を見るとほんのりと耳まで赤くなっている。
2人で見つめ合っているとお互いに吹き出した。
「なんか、全然カッコ良くなくてごめんなさい」
「そんなことないですよ。私にとってはキュンでした。フフッ」
ひとしきり笑った。こんなに幸せな瞬間ってあるのだろうか。
感覚がフワフワしていて心地よい。
あなたが隣にいてくれたら、俺はもうなんでも出来るような気がする。
俺は壁にぶち当たるとすぐ崩れてしまうような弱い男だけど、あなたがすぐ側で光になって導いてくれるから、強くなれる。
_____大切なあなたを守り、幸せにするために俺は全力を尽くす。
そう決意した。
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トコロテン(プロフ) - コメントありがとうございます。これからも大好きな作品だと思ってもらえるように自分なりに頑張ろうと思います。 (2021年4月11日 10時) (レス) id: c29fd865d8 (このIDを非表示/違反報告)
涼芽 - この作品が大好きで、いつも学校終わりに楽しみにしてます! (2021年4月9日 22時) (レス) id: a4663d5dbf (このIDを非表示/違反報告)
トコロテン(プロフ) - 感想ありがとうございます。そう言ってもらえると自信に繋がります。ただ、このお話読んでくださってる方のほとんどだと思いますが、私も現在、また心が病み気味なのでしばらくは更新しないかもしれません。ゆったりお付き合いください。 (2021年4月7日 11時) (レス) id: c29fd865d8 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - はじめまして。トコロテンさんが書く作品、大好きで話が更新されると嬉しいです! 何度も読み返しています。これからも無理せず続きを書いてくれたら嬉しいです。楽しみに待ってますね。 (2021年4月7日 7時) (レス) id: 5307737ff6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トコロテン | 作成日時:2020年6月8日 14時