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伊野尾さんは考え込みながら「そうですねぇ....」と呟きながらその綺麗な指で机を撫で、少しはにかみながら答えた。
「一生懸命なところです。自分が壁にぶつかったときは一人で抱え込まずここに来てお話してくださるんです。自分の弱さだったり素直な気持ちを言葉に出来るのってなかなか出来ることじゃないですか」
何かを思い出しているのか、ふふふと楽しそうに笑う伊野尾さんに不覚にもまた胸が疼く。
あーこの歳の失恋は思ったよりも傷が深いらしい。さっき蓋をしたはずなのに。
「あと、周りの人を明るくさせるあの笑顔も魅力的ですよね」
「あ、それ俺も分かるよ！この前とか....」
そこからは大ちゃんの話で持ちきり、他の話題なんてこれっぽっちも出てこなかった。
「じゃあ、僕はそろそろ帰ります」
「山田さん、今日は本当に、その....」
申し訳なさそうな顔をする伊野尾さん。何を考えてるのかよく分かる。
「もう良いよ。やだなぁ、そんな顔されたら惨めになっちゃうでしょ。伊野ちゃんに気持ち伝えられただけで満足だから。伊野ちゃんの想い、大ちゃんに伝わると良いね。俺、応援してるから」
それだけ言い残して店を出た。
＿＿＿＿ねぇ、大ちゃん。
大ちゃんが見た光景って伊野ちゃんの恋バナ聞いてる時だったんだよ？
伊野ちゃんが好きなのは俺じゃなくて大ちゃんなんだよ？
伊野ちゃんの心の隙間に入れないのは大ちゃんじゃなくて....俺なんだよ....
＿＿＿＿なぁ、大ちゃん。
「ちゃんと気持ち伝えなきゃ、ぶっ飛ばすからな....」
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トコロテン(プロフ) - コメントありがとうございます。これからも大好きな作品だと思ってもらえるように自分なりに頑張ろうと思います。 (2021年4月11日 10時) (
レス) id: c29fd865d8 (このIDを非表示/違反報告)
涼芽 - この作品が大好きで、いつも学校終わりに楽しみにしてます！ (2021年4月9日 22時) (レス) id: a4663d5dbf (このIDを非表示/違反報告)
トコロテン(プロフ) - 感想ありがとうございます。そう言ってもらえると自信に繋がります。ただ、このお話読んでくださってる方のほとんどだと思いますが、私も現在、また心が病み気味なのでしばらくは更新しないかもしれません。ゆったりお付き合いください。 (2021年4月7日 11時) (レス) id: c29fd865d8 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - はじめまして。トコロテンさんが書く作品、大好きで話が更新されると嬉しいです！ 何度も読み返しています。これからも無理せず続きを書いてくれたら嬉しいです。楽しみに待ってますね。 (2021年4月7日 7時) (レス) id: 5307737ff6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トコロテン | 作成日時：2020年6月8日 14時
