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ym side
「じゃあな山田....ちゃんと俺気持ち伝えるから」
「結果も教えろよ」
「わーってるって。ホント、ありがと」
公園を出た俺たちはそれぞれの家へと足を踏み出す。
くるりと振り返って「応援してるからー！」と言うとこちらに背を向けたまま片手を挙げる有岡の姿が見えた。
まったく....
「とんだ人騒がせだ....」
景色が揺らいだ。零れ落ちそうになる涙を必死にこらえ、夜空を見上げる。
「頑張ったよな、俺....」
鼻の奥がツーンとした。
有岡のあの清々しい顔を見てしまったら言い出すことなんて出来なかった。
「俺だって好きだったんだよ....伊野尾さんのこと」
たぶん一目惚れだった。大ちゃんの後を付けて知念たちとお店に入ったあの瞬間から。
包み込むような優しい笑顔と少し鼻にかかった甘い声が俺の心を揺さぶった。
そこから何回かお店に通ううちに、伊野尾さんのことを知れば知るほど好きになっていく自分がいて、この気持ちちゃんと伝えたいって思った。
そして、ドラマがクランプアップした日スクランブルへ足を運んだ。
ｶﾗﾝｶﾗﾝ
ドアを開けると、自分が会いたいと思っていたその人が「こんにちは」なんて言って微笑むからついつい自分の口角も上がってしまう。
「こんにちは。今日はまだ僕だけですか？」
「そうですねぇ。時間帯も早いですし、この曜日は比較的に来られる方が少ないんです。山田さんの方こそお仕事早かったんですね」
「今日ドラマがクランクアップして、打ち上げはまた日を改めてすることになったんで早めに仕事終わったんです」
「わぁ、お疲れ様です！私も毎週見てますよ。今週の放送が楽しみです」
「ああ、ありがとうございます」
「じゃあ、今日のカクテルは私からのお祝いということで。仕事に真摯に向き合う山田さんの情熱をイメージしてみました」
コトリ、出されたカクテルは底の方が赤く上が乳白色でグラデーションされたもので、一口飲むとふわりイチゴの甘みがじんわりと口の中に広がった。
見た目よりも優しい味わいに伊野尾さんの穏やかな人柄が出ている。
こうしていつも好きの気持ちがちょっとずつ俺の心に蓄積し、片思い特有の胸の締め付けに苦しくなった。
参ったな、もうあなたに夢中になってしまうよ。
だから、引き返せなくなる前に＿＿＿＿＿＿＿
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トコロテン(プロフ) - コメントありがとうございます。これからも大好きな作品だと思ってもらえるように自分なりに頑張ろうと思います。 (2021年4月11日 10時) (
レス) id: c29fd865d8 (このIDを非表示/違反報告)
涼芽 - この作品が大好きで、いつも学校終わりに楽しみにしてます！ (2021年4月9日 22時) (レス) id: a4663d5dbf (このIDを非表示/違反報告)
トコロテン(プロフ) - 感想ありがとうございます。そう言ってもらえると自信に繋がります。ただ、このお話読んでくださってる方のほとんどだと思いますが、私も現在、また心が病み気味なのでしばらくは更新しないかもしれません。ゆったりお付き合いください。 (2021年4月7日 11時) (レス) id: c29fd865d8 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - はじめまして。トコロテンさんが書く作品、大好きで話が更新されると嬉しいです！ 何度も読み返しています。これからも無理せず続きを書いてくれたら嬉しいです。楽しみに待ってますね。 (2021年4月7日 7時) (レス) id: 5307737ff6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トコロテン | 作成日時：2020年6月8日 14時
