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自分で言っておきながら辛くなってくる。でも、ちゃんと伝えなければ。



「でも山田だって最初から何でも出来た訳じゃない、陰で人の何倍も練習して研究して努力してたんだって....知念に言われなくてもそんなこと自分でも分かってたんだよ。でも、自分が上手くいかない理由を自分の責任だと思いたくなかった」



「....」




「伊野尾さん、いるだろ?」




「....うん」






「俺こんなだからさ、いつも話聞いてもらって励ましてもらってたんだ。それでいつの間にか俺の中で伊野尾さんが心の支えになってた....好きなんだ、伊野尾さんのこと。たぶん、人のことこんなに好きになったの初めて」



話をしているとあのふわりとした伊野尾さんの笑顔が蘇ってくる。



「ドラマのクランクアップの日、伊野尾さんに告白しようと思ってスクランブルに行ったんだ。で、伊野尾さんと山田が2人で楽しそうに話してるの見ちゃったんだ」



「....っ!」



息を呑む音が聞こえて山田の方を見ると目を見開いたまま俺のことを見ていた。



「....あの日、大ちゃんもスクランブル、いたの?」





「そうだよ。なんかさ、2人話してるところ見たらさ、思っちゃったんだよね。『あー俺の入る隙なんて無いぐらいお似合いだなぁ』って。山田、伊野尾さんと付き合ってるんだろ?俺、生まれて初めての失恋でさ、どうしたらいいか分かんなくって。仕事も中途半端でいろんな人に迷惑かけたし、知念や裕翔や高木にも心配させた....何より、何も悪くない山田に酷いこと言って傷付けたこと、マジで後悔してる。....ホントごめんな」



これが今の俺の全てだった。




山田がこの話を聞いて何を思っているのか表情が読み取れず、2人の間に沈黙が流れる。




山田はコーヒーの残りを一気に流し込むと一息吐いて「そっか....」と呟いた。



「大ちゃん、そんなに悩んでたんだね。俺、全然気付けなかったよ。ごめん....何年も一緒にいるのに」



「いやっ、山田が謝ることじゃ....」



「でも、大ちゃん。一つだけ勘違いしてるところがある」



「えっ....」




山田は俺の顔を見てゆっくりと言った。




「俺....伊野尾さんとは付き合ってないよ」

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設定タグ:有岡大貴 , 伊野尾慧 , Hey!Say!JUMP   
作品ジャンル:タレント
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トコロテン(プロフ) - コメントありがとうございます。これからも大好きな作品だと思ってもらえるように自分なりに頑張ろうと思います。 (2021年4月11日 10時) (レス) id: c29fd865d8 (このIDを非表示/違反報告)
涼芽 - この作品が大好きで、いつも学校終わりに楽しみにしてます! (2021年4月9日 22時) (レス) id: a4663d5dbf (このIDを非表示/違反報告)
トコロテン(プロフ) - 感想ありがとうございます。そう言ってもらえると自信に繋がります。ただ、このお話読んでくださってる方のほとんどだと思いますが、私も現在、また心が病み気味なのでしばらくは更新しないかもしれません。ゆったりお付き合いください。 (2021年4月7日 11時) (レス) id: c29fd865d8 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - はじめまして。トコロテンさんが書く作品、大好きで話が更新されると嬉しいです! 何度も読み返しています。これからも無理せず続きを書いてくれたら嬉しいです。楽しみに待ってますね。 (2021年4月7日 7時) (レス) id: 5307737ff6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:トコロテン | 作成日時:2020年6月8日 14時

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