踊ってよ君らしく ar×in♀

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俯いていた顔を上げ伊野尾さんを見る。






「以前歌番組でHS7の皆さんがパフォーマンスしてるところを見ました。ダンスの経験なんてこれっぽっちもないんで偉そうには言えないですけど、有岡さんの跳ねるようなダンスが、何より心から楽しそうに踊っているところがとても魅力的だったんです」






そこまで言い終えて一息吐くとふわりと穏やかな笑顔で見つめられた。







「少なくとも私には有岡さんが誰よりも輝いて見えましたよ」






「っ！」







「有岡さんらしく踊ってみても、いいんじゃないですか？」






その瞬間、とうとう頬に涙が伝っていくのを感じた。



ああ、この人はこんなにも自分を肯定してくれるのか、と。





今まで自分がしてきたことが報われたような気がして、棘だらけだった心が優しく溶かされていくようだ。






後から後から涙が溢れて嗚咽が止まらない。



急に泣き出した俺に対して伊野尾さんは「大丈夫ですか？」と傍まで来て優しく背中をさすってくれる。





「すみませっん。今日こんな事言う予定じゃ、なかったのに....でも、嬉し、くて....あり、がとうござっいますッ」



泣きながら、はっきりと自覚したことがあった。









やっぱり俺は....









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伊野尾さんが好きだ。

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