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「隣の席いい?」
「あ、どうぞ」
「伊野ちゃん、一杯オリジナルで」
「了解です」
話しかけてきたのは革ジャンを羽織りギターを肩から下げた若い男。
がっしりとした体格で黒髪。頭に緑のバンダナを巻いている。
伊野尾さんのことを伊野ちゃんと呼ぶあたり彼はきっとこの店の常連なのだろう。
そう思っていると彼はまた話しかけてきた。
「初めて見る顔だけど、このお店初めて?」
「いえ、2回目なんですけど」
「そっか。俺、岡本圭人。前はバンド組んでたんだけど今はフリーでギタリストしてるんだ。圭人って呼んで」
「彼、結構有名なギタリストなんですよ。祖父がこのお店をしていた時の常連さんの息子で、週に一回ここで弾き語りをしてくれているんです」
「そうなんですか」
「君の名前も教えてよ」
初対面だがこの圭人っていう人はグイグイくるな。もうすでに少し酔っているのかもしれない。
「有岡大貴です。大ちゃんって呼ばれてます」
「有岡....どっかで聞いたこと、あ、HS7の?」
視線を落とし、少し考えていた彼はひらめいたかのように俺を見つめた。
「そうです」
「そうなんだ!俺、山ちゃんと友達なんだよ」
「え、本当ですか。」
「うん。共通の知人がいてね。カフェ巡りの仲間だよ」
そう言うと彼はいつの間にか出されていたカクテルを一口飲んだ。
「圭人さん、何か一曲弾いてくれませんか」
「うん。いいよ。伊野ちゃんに会ってお酒を飲むのと弾き語りをするためにここに来てるんだから」
そう言うと圭人は側に立てかけていたギターを構えて歌い始めた。
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トコロテン(プロフ) - コメントありがとうございます。これからも大好きな作品だと思ってもらえるように自分なりに頑張ろうと思います。 (2021年4月11日 10時) (レス) id: c29fd865d8 (このIDを非表示/違反報告)
涼芽 - この作品が大好きで、いつも学校終わりに楽しみにしてます! (2021年4月9日 22時) (レス) id: a4663d5dbf (このIDを非表示/違反報告)
トコロテン(プロフ) - 感想ありがとうございます。そう言ってもらえると自信に繋がります。ただ、このお話読んでくださってる方のほとんどだと思いますが、私も現在、また心が病み気味なのでしばらくは更新しないかもしれません。ゆったりお付き合いください。 (2021年4月7日 11時) (レス) id: c29fd865d8 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - はじめまして。トコロテンさんが書く作品、大好きで話が更新されると嬉しいです! 何度も読み返しています。これからも無理せず続きを書いてくれたら嬉しいです。楽しみに待ってますね。 (2021年4月7日 7時) (レス) id: 5307737ff6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トコロテン | 作成日時:2020年6月8日 14時