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《第八匹》幸せが壊れる音 ページ8

バシッ...!

 竹刀がぶつかる音がしてから、少し時間がたって...。

『......。』

 その試合...とは言い難いそれを、生徒達は口を開いて呆然と見ていた。

「しょっ勝負あり!」

塾頭が、試合の終わりを告げる。

バシッバシッ...!

が、それでもまだ竹刀がぶつかる音がする。

「もっ、もうやめて下さいっ!Aさんっ!Aさん!?Aさんの勝ちですから!だからもう師範を叩くのやめて下さい!もう師範は失神してますから!!」

「...ん?あ、すまん。ついカッとなってしまった。」

 血がついた竹刀を肩におき、塾等にその血だらけになった竹刀と人物を投げつけ、「じゃ、俺風呂入るから、それ処理しといて。そっちの人の形したものは焼却炉行きで」と言い残して、その場を立ち去っていった。

 その時、(しょう)と生徒全員は思った。

『あいつ(この人)に(いちご)をかけて勝負するものではない』と。

因みにどんな勝負だったかは、皆さんのご想像にお任せします。




庭では桜が散っている。

......もうすぐ、春が終わる。


◇◇◇


チャポン...。

 浴槽に入っている俺の顔を映したお湯が、揺れる。
 あれから少し時間がたち、今はお湯に()かっている。

「はぁ...。」

 お風呂場が俺に、安心と安らぎを与え、一番心体共に解放される時。


バシャッ...。


 湯船から上がり、寝間着(ねまき)に着替え自室にあるベットへと向かう。


 バサッとベットに倒れ込み、窓から見える月に願った。
 いつまでも、この幸せな生活が続きますように...と。

 でも、それは叶わぬ願いで、いつかは壊れてしまう事を知っていた俺は、明日が来てしまう夜が怖かった...。

《第九匹》俺の朝!→←《第七匹》苺は命だ。



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作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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はっせー!!(プロフ) - はい!(*'▽'*)頑張ります!駄作ですけどねw (2014年2月3日 18時) (レス) id: ac4e363c4e (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(ユキウサギ)(プロフ) - ずっとこれ待ってましたァァ!!← これからも頑張って下さい! (2014年2月3日 17時) (レス) id: c8d0844819 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神 恭也 | 作者ホームページ:http://ma.yuden.heyano5ha5426  
作成日時:2013年12月31日 1時

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