《第四十一匹》父さん ページ42
そんなこんなで、一ノ瀬 煌こと生徒会長の、『とりあえず今日はもう帰れ』という言葉で有り難く帰らせてもらった。
まさか、あの人が本当に帰ってきてるとは思わずに。
「A!お帰りぃぃいいいぶべらっ?!」
巨体が飛びついてきたので、とりあえず殴り飛ばす。じゃないと、押しつぶされて死ぬ。
殴り飛ばした事で巨体が星に……なれば良かったものを。あの人が帰ってくる度にこれだ。生命力がもうG並みで、毎回同じ展開を繰り返してる。
いや、もうそろそろ、そうすれば殴り飛ばされるってことを学習してほしい。
「痛いじゃないか〜、A〜」
「の割には元気そうじゃないかよ、え?父さん」
目の前にいる男……瀬川 史郎は、「冗談だろ?」と笑いながら立ち上がる。
「久しぶりだな、A。Aも元気そうで父さん何よりだよ」
「俺は父さんがゴキ○リホイホイに引っかかってなくて残念だよ。折角設置したのに意味なくなった」
「アハハー、父さんG扱いされてそろそろ泣きそうだよ」
なんか言ってるが、本当は傷ついてない──というか、構ってもらって嬉しそうな顔をしているからG扱いされている事に気づかない残念なこの男こそ、俺と兄さんの父親である。
「お父さん。帰ってきてたんだな」
「おう。翔も元気で何よりだ」
「で?何しに帰って来たんだよ、父さん。……俺に話でもあって帰ってきたのか?」
生徒会長の話を聞く限りでは、話がある、ということなんだろうが。何とか断る事出来ないか……。
少し考え、改めて父さんの顔を見ると、真面目な、仕事をするときの顔になっていた。ただでさえ子どもが見ただけで泣く、迫力のある顔の眉間には深い皺が刻まれていた。
「もう話は聞いたようだな。なら、話は早い。翔、道場の方を開けてくれ」
「承知しました」
兄貴も真面目な顔になり、静かに頷くと、場を離れた。
兄貴の姿が見えなくなった所で、父さんが真剣に告げてきた。
「A。一手、真剣に殺り合おうか」
4人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はっせー!!(プロフ) - はい!(*'▽'*)頑張ります!駄作ですけどねw (2014年2月3日 18時) (レス) id: ac4e363c4e (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(ユキウサギ)(プロフ) - ずっとこれ待ってましたァァ!!← これからも頑張って下さい! (2014年2月3日 17時) (レス) id: c8d0844819 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:神 恭也 | 作者ホームページ:http://ma.yuden.heyano5ha5426
作成日時:2013年12月31日 1時