《三十九匹》生徒会? ページ40
『1年9組、瀬川 A。至急生徒会室まで来てください』
大変だった春の学院祭を終え、数日後。
昼休み中、そんな放送が流れてきた。
「A、やっぱ呼ばれてね?」
因みにこの放送は朝から休みに入る度に流れてる。
「...聞き間違いだ。それより隼人。いちめろ」
「いやいや。今日水曜じゃないから。いちめろないから。代わりに苺牛乳と苺モチモチドーナツ買ってきてやったから」
「さすが犬」
「犬言うなし!?」
くいくいっと手を出すが、いちめろは出てこなかった。...代わりに苺牛乳ついたけど。
『1年9組──』
「朝からうるさいな。文句言いに行くか?」
「いや、多分Aが生徒会室に行けば止まると思う...」
「ん?何か言ったか?」
食べるのに夢中で何も聞こえなかった。うん、まじおいしい苺。この甘酸っぱいのがまた...
「いや、もう幸せならいいんだよ、幸せなら...」
何か諦めた様子でため息をつきながら、アホ犬も焼きそばパンに齧りつく。
「それよりAはよくそれだけで足りるよなぁ。俺のメロンパン食う?」
「いや、いらん。足りる」
「そうか?てか、A痩せすぎじゃね?」
「……」
そんな犬の言葉なんて軽くスルーして、今日も今日とて苺と名前のつくものを頬張る。
うん。今日も今日とて苺は美味しい。
*
昼休みが終わって、長い長い午後が終わり、帰ろうとしたその時だった。
バンッ!と、勢いよく開けられた扉の音がし、教室全員の目がそちらへと向けられる。──いや、Aを除いて。
「おい、瀬川A。俺が直々に放送をかけてやったというのに来ないとは…どういう事だ?」
その扉の前にいたのは、お偉い生徒会長様でした。
「邪魔。帰れないだろ。お偉い生徒会長様ワラは人を邪魔する性へきでもあんのか?」
「ワラ言うな!というか、そんな変な性へき、俺が持ってる訳ないだろ!」
「じゃあ性へきじゃなかったら何なんだよ。どけ」
「お前はっ…、まぁいい、生徒会室に来て貰おうか?」
そう言って生徒会長の野郎が手を上げると、ザッザッと、黒い集団が現れ、俺の両腕を拘束する。何故か、捕まえる度に「すみません…」などという声が多々聞こえたが、きっと気のせいだ。
「行くぞ」
生徒会長がそう言うと、黒い集団は俺を連れて生徒会長についていく。
というか、こんな集団いつでも振り払えたが、それはそうで面倒くさそうなので、いうことに従い、仕方なく生徒会室に連行されることとなった。
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はっせー!!(プロフ) - はい!(*'▽'*)頑張ります!駄作ですけどねw (2014年2月3日 18時) (レス) id: ac4e363c4e (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(ユキウサギ)(プロフ) - ずっとこれ待ってましたァァ!!← これからも頑張って下さい! (2014年2月3日 17時) (レス) id: c8d0844819 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神 恭也 | 作者ホームページ:http://ma.yuden.heyano5ha5426
作成日時:2013年12月31日 1時