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 《第三十八匹》 ページ39

馬鹿三人を警備員に渡す為、運びながら、思案する。

 俺こと瀬川 翔は、今年で22歳...現、21歳である。
 人より少し変わった人生を送っていたせいか、生まれてこのかた恋などしたことが無かった。

 今日、Aの学校の様子を見に、文化祭へ言ったんだが、恋をしてこなかった理由はもしかしたら人より変わった人生を送ったせいではなく...ほも、しかも、ぶらこん、なのかも知れないせいでは...?ということに気づいてしまったのである...っ!

 顔を真っ赤にしながら、瞳を潤ませて上目使い。しかも、ありがとうなんて言わないあいつが、たどたどしく、恥ずかしながら...。

「何故、弟にこんなドキドキしているんだっ...」

 確かに。確かに小さい頃のA可愛かったっ...!
 人より少し大人ぶっていたが、苺を食べる時が特に。俺が落ち込んでいた時は、自分が大好きな苺をくれたり(食べたい顔を隠しきれてなかったので、結局Aから貰わなかったが)、俺が褒めたり撫でるとほにゃっと笑ったりと、可愛かった。

 血は繋がってない(・・・・・・・・)とは言え、ずっと兄弟のように一緒に暮らし、尚且つあいつは血が繋がっていると思っている。

 兄弟じゃないことを言う訳にもいかないし、あいつは男だ。

 恋愛対象に入ってはいけない。

「いや、待て待て。何で恋の方向に持っていく!?そもそも、恋と決まった訳では...」
「いや、それ恋だろ。告白しちまえ」
「いや、だが、侍たる者、恋などに(うつつ)を抜かす訳には...」
「いやいや、恋も大事だよ?大切な人を助ける為にーとかで動く侍とかかっこよくね?」
「む...確かに。...って、さっきから俺は誰と会話しているんだ?」

 声のした方向を向くと、片方の腕で担いでいる男が「やほー、悩める子羊さん」と、挨拶してきて...

「何でてめぇだぁ!!!?!?」

 とりあえず、通りがかった焼却炉の方向に投げといた。

◇◇◇

 あの後。

 正確には俺が辱めを受けてまでお礼を言ったと言うのに兄貴が飛び出していった後。

 入り口付近で見ていた奴らと教室内の男子達が何故か前屈みで出て行ってしまった。

 ...何で?

 まぁ、いいや。河井がなんか騒いでるし、この間に慎也か隼人に何か作ってもらおう。

 そんなこんなで、騒がしかった午後は苺を堪能していたAなのであった。

◇◇◇

 これが原因で、まさか男からも告白されるようになるとは、思いもしなかった...。

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設定タグ:男装 , 恋愛 ,   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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はっせー!!(プロフ) - はい!(*'▽'*)頑張ります!駄作ですけどねw (2014年2月3日 18時) (レス) id: ac4e363c4e (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(ユキウサギ)(プロフ) - ずっとこれ待ってましたァァ!!← これからも頑張って下さい! (2014年2月3日 17時) (レス) id: c8d0844819 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神 恭也 | 作者ホームページ:http://ma.yuden.heyano5ha5426  
作成日時:2013年12月31日 1時

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