《第三十七匹》 ページ38
その後ろにいた馬鹿三人組のうちの1人が俺に向かって、馬鹿みたいにほとんど何も考えず右手で殴ろうとしてくるが、それを右腕にひねりを加えながら外に払い、その腕を掴む。
馬鹿の体を躱して踏み込み、奴の側面に入り込む。左手で髪を掴み瞬時に右手を奴の内側に入れ、倒すとダァンッと音が鳴り響き、見ると下で殴りかかってきた馬鹿がのびていた。
「次は…誰だ?」
普段よりも低い声で言えばビビって逃げるかと思ったが、そんなうまくいく訳もなく。「ひっ」と一瞬怯んだが、男の意地だが何だが知らんが「女如きが調子こいてんじゃねぇぞゴラァ!」とうるさく喚いた。
もう本当に面倒くさい意地だなぁ、と思いつつ、蹴りで一掃してやろうと思って足を上げようとしたら、
「っ!?」
…そういえば、ロングスカートだった。
勢い余ってそのまま転倒してしまった。
「おっ女がいきがるからそうなるんだ!ちょっと痛めつけてやるよ、立場ってもんを分からせてやる為になぁ!」
馬鹿1、2が俺に殴りかかろうとして、あ、これ避けらんねぇなぁ、スカートの裾踏まれてるしと思い、目を閉じて衝撃が来るのを待った。
が、いっこうにその衝撃が来ない。
どうしたんだろうと、恐る恐る目を開けると…兄貴が。
常備している竹刀で馬鹿共の拳を止めていた。
「なっ、何だてめぇは!?」
「あ?さぁ…通りがかりの、ただの侍…かな」
「は?侍!?」
「まぁ、そんなのはどうでもいいんだよ。てめぇら、俺の家族に手出しやがって…死にたいのか?」
普段より一段低い声と見たことない形相。
死にたいのか?と言った瞬間、兄貴が笑って
「黙ってるってことは肯定だな?そうかそうか、死にたいか。……なら、逝け」
瞬間。拳で鳩尾に一発。
馬鹿共が泡を吹きながら倒れ意識を離した。
「騒ぎを起こしてすまない。続けて仕事をしてくれ。あー、後誰かここの阿呆共を運んでくれる手伝いしてくれないか?」
いつも通りに兄貴がそう言い、周りがほっとして各自の仕事へと映る。
「兄…貴」
「お、大丈夫だったか?A。出来れば運ぶの手伝ってくれれば助かるんたが…」
「あぁ。あ、いや、その」
「ん?どうした?」
「あり、がとう…」
少々お礼を言うのは恥ずかしかったが流石に助けてもらっておいて言わないのもどうかと思い言ったら、兄貴が顔を真っ赤にし、
「き、気にすんな!」
といって、早々に三人を抱えて教室を出て行った。
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はっせー!!(プロフ) - はい!(*'▽'*)頑張ります!駄作ですけどねw (2014年2月3日 18時) (レス) id: ac4e363c4e (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(ユキウサギ)(プロフ) - ずっとこれ待ってましたァァ!!← これからも頑張って下さい! (2014年2月3日 17時) (レス) id: c8d0844819 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神 恭也 | 作者ホームページ:http://ma.yuden.heyano5ha5426
作成日時:2013年12月31日 1時