アホ犬と男装御主人様！！ (ページ37)

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　《第三十六匹》ページ37

「...と、皆落ち着いた所で。とりあえず、瀬川はお兄さんの接待を。後は引き続き自分の仕事に戻ってくれ！営業再開だ！」
「委員長...その、すまん。俺の兄貴が馬鹿で...」
「いや、今回は瀬川は悪くない。瀬川兄がイレギュラーだったんだ。それに、瀬川はこのクラスによく貢献してくれているしな、謝ることはない」
「そうか...」
「そうだ。だから、気に病まなくていい。さて、浪費してしまった時間分取り戻すぞ。さっきの騒ぎのおかげで客も集まってきたし。頑張ってくれよ、エース」

　委員長が俺の背中を叩いて、委員長も呼び込みへと廊下に出て行った。

　まじ委員長感謝だわ。

「...で、兄貴は何しに来たんだよ？」

　普段より一際低い声で兄貴に尋ねる。

「お前の様子見にだな...。来て良かった、お前がこんな事してるなんて、帰ったら稽古...」
「あ？」
「...今日は免除してやろう」
「チッ」

　乱暴に料理を出してやり、早く帰れと視線で促す。

　そんな事をしていたら、また入り口が騒がしく...チッ、もう何なんだよ、今日は。
　心の中で愚痴りながら、入り口の方を睨んだ(ほぼ殺気かもしれない)。

「ヒュゥ、かわい子ちゃんいっぱいだねぇ」
「あ、君これから一緒に遊ばない～？」
「おいおい、飯もうまそうだな」

　チンピラ三人組がいた。

「痛っ、離して下さいっ」
「そんな怖がんなくても、俺ら優しいから安心してよ、痛くしないから～」
「アヒャ、嘘付け、お前いっつも強引じゃねぇか」

　アハハ、アヒャヒャ、ウホホ...。嫌がる女の子片手に、うるさく馬鹿みたいに笑う。

　...ブチッ。自分の中で、何かがキレた音がした。言うまでもなく、堪忍袋の切れた音だが。

「う...せぇ...」
「あ？」
「うるせえっつってんだよ、この糞馬鹿共。その手を離せよ」

　嫌がっている女子の手を握っている男の腕を掴み、睨む。俺は腸が煮え繰り返っていた。

「ウヒョッ、別嬪さん。何？次は美人な君が相手してくれんの～？」
「俺はさっきからトラブル続きで虫の居所が悪いんだよ、そこに、馬鹿共がウホホウホホとゴリラみてぇに笑いやがって...」

　キリキリと、掴む手に力を入れていくと、男が「いて、何すん...」と言うが、それを遮り、

「死にさらせ糞共がぁぁあああ！！！」

　ボキッと、嫌な音を鳴らした。

「いてぇ！？こいつっ...！？」
「ハッ、来いよ。俺にかなうと思うならな。...怪我してもしらんが」
「言わせておけばっ...！おい、やっちまおうぜ！」