アホ犬と男装御主人様！！ (ページ34)

今日:25 hit、昨日:0 hit、合計:15,681 hit

　《第三十三匹》ページ34

「...よし。この『たッターs』を捨ててこい。アホ犬」

　アホ犬が慎也と入れ替わりに来ていた。

「いや、何で俺？というか、たッターって、ナニが！？」
「たッターsを三人ユニットに変更す...」
「ごめんなさい！何でもないです！捨ててきます！」
「ん？可笑しいな。犬が人間の言葉を話してきたぞ。ワンは？」
「すいません、許してくださいワン！」
「仕方ない。許すか。取りあえずそこの焼却炉にでも捨ててこい」
「はいワン！」
「うわぁ、これ、絶対A機嫌悪いな...。何がAをここまで...こいつらか」

　アホ犬がボソボソと何か言ってるが、この際合ってるので、何も言わない。言った所でさっきと同じ事を繰り返すだけだからな。
　すると、もう１人いた物本の執事みたいな奴がいつの間にか前に立っていて、恭しくお辞儀をしてきた。

「すみません。“一応”、その方達は生徒会の会長と庶務長を勤めていらっしゃる方々ですので、そこまでにして頂けませんか？」
「つまり、役付きは偉い方なんで、威厳が下がると困るから止めてくれと？」
「お察しがいいようで」

　まぁ、面倒な事になるよりかは、と思い「隼人、もういいぞ」と言って止めさせた。

「で？そのお偉い方々が、揃って俺達のクラスに何の用だ？」
「ただ学園祭を周りに来ただけ、では足りませんかね？」
「ほざけ。あの２人が仲良いようには見えないぞ。１人突っかかっていったしな。そんな２人が仲良く学園祭回るわけないだろ」
「流石にあなたには嘘だけではあしらえませんか」

　そこで、ようやく模擬刀で突かれた痛みが引いたのか、金髪の、一応生徒会長らしい奴が口を開いた。

「おい、瀬川 A。お前に用がある。生徒会に来い」
「やだ」
「...は？」

　きっぱりと拒否してやったら、素っ頓狂な声を上げて驚いていた。

　いや、だって面倒くさいし...。しかも、俺は午後入る前の休みにアホ犬に『苺爆発しました饅頭』(...あれ？違ったっけ？)を作らせて食べるという義務があるんだ。

「てことで、はい残念。閉店ガラガラさようならっと」

　ひらひらと手を振って、仕事に戻る事にした。

「おい、この迷惑な客をつまみ出せ！」
「「イエス！委員長！」」

　丁度良く出てきた委員長のかけ声に従い、いつの間にか戻ってきていた２人、河井とオタグロがチャラ男と王子様(笑)を摘み出し、物本の執事さんは笑顔を向けて去っていった。

　あぁ、初っ端から面倒だったなぁ、と、その出て行く姿を見送った。