アホ犬と男装御主人様！！ (ページ25)

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《第二十四匹》正統派舐めちゃあかんページ25

まぁ、了承した俺は、確認、ということで、次の日アホ犬が作ってきたメイド服を試着する事になった。

「何で俺が...」

　どうせ、女装した男子にしか見えないだろうに...。一瞬、自分でメイド服を着せた男を想像して吐き気がしたので、すぐにその想像をかき消す。
　...まぁ、俺一応生物学上は女だけどさ。

「A君可愛い！！」

　そんな俺の考えとは反対に、女子達は黄色い声を上げてキャーキャー騒いでいた。

　...お世辞が辛い。

「衣装は、前のミニスカメイドも良かったけど、正統派のメイドもいいなぁ。隼人君、恐るべし」

　同じクラスの河井桃花がうーん、と唸りながらAをじーっと見つめてきた。

「最初これ持ってきた時は、全身の穴という穴から水を出してやろうかと思ったけど...」

　あぁ、あのアホ犬殺されたか。ご愁傷様だが、本来ミニスカだった所を回避してくれたから、少しだけなら感謝してやることもない、か。
　今度水を送ってやろう。

「いつもは正統派とはかけ離れたA君が正統派のメイド服を着て、『お帰りなさいませ、ご主人様』と、キョドりながら顔を真っ赤にして上目使いでちょっと潤ませながら睨んで...いける！！」

　...。何か熱弁してるけど、この際聞かなかった事にしたい。てか、何がいけるのかは効きたくない。

「桃花！ごはん三杯はいけるね！」
「いや！三杯食べた後喉を詰まらせて死ねる！」

　...いや、死ぬなよ？どんだけ俺似合ってないんだよ...。

「おーい。大きさ大丈っ...!?」

　教室に確認にきたアホ犬まで俺を見た瞬間、顔を伏せた。...おい、お前は後で血祭りの刑に処すぞ。

「えと、その...に、に、似合ってるぞ！」

　と、それだけ残して走り去っていった。

　...苺の為とはいえ、公開処刑だろ、これは。

　皆がこうなる理由を１人知らないAは、心の中で穴に入りたい気持ちに駆り立てられていた。