アホ犬と男装御主人様！！

《第十二匹》負け犬はよく吠える ページ12

そんなこんなで皆が来る時間帯になり、HR(ホームルーム)が終わって１時間目...
　の前に、１時間目は体育だから着替えます！
　んで、Aと慎也(しんや)と男子は体育館だから一緒に行こうと思ったんだが...。

　A、着替えるのが速いんだよな。

「なんっで、下にそのまま体操服着てんだよ！」
「時間の短縮の為だ。いけないのか？特に校則には着てはいけないとは書いていないが？」
「いや、そーだけどよー。てか、ジャージ暑くねぇの？」
「お前みたいに走り回らないからな。だからお前は犬なんだ」
「何でいきなり俺罵倒されてるの？」

　というか、見てるこっちが暑くなってきた。──あぁ〜……、まじあちぃ。


◇◇◇


　…暑いに決まってんだろ、アホ犬が。
　一体ジャージの下にいくつ冷えピタ貼ってんだと思うんだ。

　くそっ。この冷えピタも雑魚だな。全然冷たくねぇ。
　何が『暑い夏もこれ一つ！ピタッと貼るだけでひんやり涼しい！』だ。

　暑いじゃねぇか。

　……でも、薄着は出来るだけしたくねぇんだ。バレる原因にも繋がるからな。

　制服の下に体操服着るのも本当は相当暑いんだ。
　けど、着替える時にいないのも色々とな。

　そういう小さな事から噂という煙は立ち、広がる。

「おい、アホ犬。今日の体育、男子は何をするんだ？」
「ん？多分体力測定……じゃなかったか？」

　体力測定か……。だりぃな。

　よし、休もう。

　Aは、クルッと踵(きびす)を返し、体育館とは逆方向に進んでいく。

「あ、おい、どこに行くんだよ」
「別にどこでもいいだろ」

　俺は寝る為に屋上に向う事にした。

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