期末試験の翌日 ページ26
＊
翌日。登校した学校では若干数名がこの世の終わりのような顔をしていた。まあその数名って言うのは三奈ちゃん、上鳴くん、切島くんに砂藤くんだ。実技演習でいい結果を出せなかったらしい。
私の赫子を初めて見た皆は「綺麗だった」「すげー！」と言ってくれたけど、私の胸は不安でいっぱいだ。
私も……大丈夫、かな。デクくんとかっちゃんは大丈夫だろうケド、私は……。
「予鈴がなったら席につけ！」
騒がしい教室に入ってきた相澤の旦那。いつもと全く違うシーンとした教室の空気に動じることもなく教卓に立った先生は続ける。
「おはよう。今回の期末テストだが……残念ながら赤点が出た。したがって＿＿」
みんなの空気が更に重くなる。私も両手を繋いで俯き、神に乞うようなポーズで旦那の次の言葉を待った。
……そんな私達の予想を180度転換させたのは、紛れもない旦那の次の言葉だった。
「林間合宿は全員行きます」
「どんでん返しだぁぁ！！！」
朝落ち込んでいた4人が声をそろえた。皆それぞれ個性的な顔しててちょっと面白い……。
「筆記のほうは0、実技で切島、上鳴、芦戸、砂藤、あと瀬呂が赤点だ」
私……赤点じゃないんだ。よかった……。
なんでも旦那が言うには私達に全力を出させるための"合理的虚偽"だったのだとか。それでもって全部が全部嘘ってワケじゃなく、赤点取った人は合宿内で補修時間が設けられているのだとか……。
はあ、本当によかった……。
*
「まあ何はともあれ、全員でいけてよかったね」
放課後、おじろんがにこやかに笑いながらみんなに言った。まあ赤点だったにしろ補修があったりするにしろみんなでいける以上のことはないし、結果オーライっちゃ結果オーライ。
「1週間の強化合宿か！」
「結構な大荷物になるね」
「暗視ゴーグル」
「水着とか持ってねーや。いろいろかわねえとなあ」
「あ、じゃあさ！明日休みだしテストあけだし……ってことで、A組皆で買い物行こうよ！」
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作者名：O | 作成日時：2023年4月9日 0時
