煙草は20歳になってから ページ38
＊
｢はぁ…………生きづらい｣
｢………次はどうしたんだよ｣
｢タバコも酒も年確される｣
｢思ったよりしょーもねえ｣
｢うっせ｣
夜、私は万次郎の部屋で煙草を吸いながら愚痴ってた。
………目覚めて2ヶ月が経った。生活には慣れてきたけれど、不満も勿論あるわけで。昔は普通に煙草を買えたのに買えないとか、お酒を買えないとか。
｢不良を殺す社会だ………南無………｣
｢ならやめればいーじゃん｣
｢辞めれないから困ってるんすよねえ。わかります？マンジローさん？｣
｢わかんね｣
そう言ってもぐもぐたい焼きを食べる弟。私も甘いもの叩�任砲覆譴个茲�ったと後悔するくらい辛いですええ。
｢はぁ〜………｣
｢…………なあ、リューカ｣
｢なによ｣
｢煙草、そんなに美味いの？｣
｢そんなに。けど、飯食った後はいっちゃん美味い｣
｢俺にもちょーだい｣
｢！だ、ダメダメ！｣
万次郎が煙草を手に取る前に、私が奪った。すると万次郎は不満げに私を見る。
｢お子ちゃまにはまだ早い！｣
｢同い年じゃん｣
｢私は31歳だし｣
｢なんでダメなの｣
｢アンタの肺が汚くなる｣
｢ジュドーキツエンって知ってる？｣
｢わかった、もうアンタの部屋で、というかアンタの目の前で吸わない｣
｢………なんでだよ、一緒の煙草、吸いたい｣
｢…………ふふっ｣
ぶす、と不貞腐れる万次郎。その顔が昔の真一郎に似てて思わず吹き出す。すると万次郎は首を傾げた。
｢なんだよ｣
｢昔、真一郎も同じ顔して煙草ちょーだいって言ったの｣
｢………シンイチローが？｣
｢うん、10歳の癖にませすぎた、つって頭叩いてやった。マンジローもする？｣
｢ヤだよ。それに俺、もう17だし。おかしくねーだろ｣
｢ハイハイ、お子ちゃまは黙ってどら焼き食べてなさい｣
｢む、……｣
私が手の代わりに持っていたどら焼き＿＿万次郎と一緒に居るようになってから持ち歩くようになった＿＿を頭に乗せてやると、不満げにしながらそれを受け取って食べ始めた。なんか、小動物みたい。
｢かわいいねえ、私の弟は｣
｢………うっせ｣
そのもぐもぐする弟を見ながら、私は煙草に火をつけた。
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作者名：O | 作成日時：2021年10月17日 17時
