ヘタレ王子も恋をする 〈Ryosuke yamada〉

13 ページ13

side:Y.C

恐ろしく意気地がないヘタレな涼介が申し込んだお友達関係は、まあ良好には進んでいたと思う。
……良好過ぎて、これから恋人関係に発展するかどうかが心配なくらいに。


「まって、涼介くん、これどーするの？」

山「えっとこれは……まずボウルに……っぎゃぁあ！！」

「わぁぁああ！！」


がしゃんがしゃん、と何かが大量に落ちる音が涼介の家に響く。


伊「……仲良く料理してるようだけど、進展あったの？」


ダイニングテーブルに座っているいのちゃんが、伏し目がちにはぁ、とため息をつく。


涼介のお友達申し込みから約1ヶ月。
なぜか涼介の恋に巻き込まれている僕といのちゃんは、今日は涼介にお呼ばれして涼介の家に来ていた。

Aちゃんとお菓子作るから、食べに来てって。
実は2人きりになる勇気がないの、僕は知ってるんだから。


知「なんもないね、驚くくらい。
あらかたボウル落としたかな……2人ともおドジさんだからね……」

伊「2人一緒に何もないとこでこけたりとかするもんね……」


これまで1ヶ月、僕といのちゃんが見てきた2人はそりゃあもう凄まじいものだった。

14→←12

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す