ヘタ鬼 〜Gradirei scappare〜

【１４３】　助けに行くよ ページ7

その頃の風呂メンバーは――


イ「アルフレッド〜！そろそろ上がらないと逆上せちゃうよ〜」

フェリは既に風呂を上がり、
まだ入っているアルに話しかけている

ちなみにルートは風呂の中で二人の会話盗み聞き中

ア「なぁフェリシアーノ。
　 昔の世界のこと、少し聞いてもいいかい？」


イ「え？う、うん。いいけど…何？」


ア「アーサーだけが死んだ時って、あったかい？」


イ「――うん。あった。アイツさぁ、なんか凄い力使えるから
　 その分頑張っちゃうって言うか、力を使いすぎる時があるんだ。
　 それで…そのまま…」


ア「それでも君は、時間を戻したんだよね？」


イ「うん。あの時の俺は、皆を脱出させる事が目的だったから。
　 一人でも欠けたらダメなんだ」


ア「どうして戻したんだい？君は、アーサーが嫌いだよね？
　 嫌いな奴のために、どうしてそこまでできるんだ？

　 アーサーだけじゃないよ。
　 イヴァンにだってビクビクしてたし過去にだって色々あっただろ？
　 何で彼らのためにそこまで…」


イ「あ、そう言えば俺…嫌いって感情…滅多にないかも」


ア「え？」


イ「苦手〜とか、怖い〜とか、嫌だ〜とか思うことは
　 いっぱいあるけど、嫌いってのはあまりない気がする。
　 だからアーサー達も、怖いなとか、
　 苦手だなって思う時沢山あるけど、嫌いじゃないよ？」


ア「ここから全員で出られたとしても、
　 いつかはきっと、その中の誰かと喧嘩することに
　 なる可能性だってあるんだぞ？」


イ「そだね〜。国背負ってるんだし、当たり前だよ〜」


ア「それでも、助けるんだね？」


イ「考えたことあるよ。
　 脱出して、国に帰って…例えばアルフレッドと喧嘩する。
　 修復できないくらい、大きな喧嘩をしちゃったらって」


ア「絶対に『そんな事はない』、とは言えないからね」


イ「うん。で、そんな状態のまま、
　 またお前がこういう事に巻き込まれたとするじゃん？」


ア「あぁ」


イ「そしたら俺、喧嘩してることなんか忘れて
　 お前の事全力で助けに行くと思うんだ。今俺がしてるみたいに」


ア「……」




〜続く〜
長いので、一旦切ります

いやー今回は会話だけですね
なんか無駄な説明いれない方がいいかと思って

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