ヘタ鬼 〜Gradirei scappare〜

【１７７】　会議 ページ44

「そんな事があったんだねぇ。大変だったねAちゃん」

苦笑いしながら僕を見るフェリ
何で苦笑いされてるかというと、ギルにフランと一緒に説教されるさいに
正座をさせられたからだ
正座は今も継続中である
僕は日本人だし、正座に慣れているけど
ちょっと足に血が回らなくて感覚なくなってきてる気がする
長時間はきついです、プロイ先輩

『まぁ、皆が無事ならそれで良いんだよー。
　疲れは休めばとれるからね』

皆で脱出するためにも頑張らなきゃね
そうこうしていると続々と皆が意識を取り戻し始めた

『じゃあ、そろそろ今後の事を話し合おうか！』

今後…どうなるのかが分からない今、
間違った判断をすれば命取りになる
一つ一つの行動が生死に関わるのだ
この会議は重要なものとなる

「さて、どうする？今後どう動くかだが…」

チラッとこっちを見てくるルート
言いたい事は大体察しがつくけど

「…Aも今後は分からないんだろ？」


『うん…。ごめんね役に立てなくて』


「何言ってるあるか！充分あるよ！」

他の皆もそんな事ないって言ってくれた
嬉しい、だなんて…
心のどこかで誰かに否定してほしかったのかな

「まずは、フェリシアーノだが起きたからよいな」


「次はアーサーさんのことですね」

目が見えないのをどうするかだ

『動くにもハンデだしね…。そこをトミーに襲われでもしたら
守りながら戦うのは大変だよ』

トミーはどんどん強くなっていっているのに、だ

「わりぃな…。足手まといでしかねぇな俺」


「見えなくても戦う事が出来ればな…」

何か手はないのかな
せめて敵の気配が分かるとか…
…ん？気配？

『そうだ！気配だよ！』

気配？と僕の言葉にあまりピンときていないらしく
不思議そうな顔で次の言葉を待っていた

『トミーや僕達の気配とかが分かれば、目が見えなくても戦えるかも！』


「あぁ、たしかに」


「坊ちゃんは魔法使えなくても、武器ありゃ戦えるでしょ。
　…元ヤンだし」

最後の一言は聞かなかったことにするよ
アーサーなんか、見えてればぶん殴ってやるのに…とか物騒なこと言ってるよ
フランは張り合いなくて面白くないなーとか呟いてるし

「武器は後でとして、気配が分かるようにとかどうすんだ？」


『そうだねー。鍛えてる時間もないし何かきっかけがあれば、もしかしたら…』

そうやって考えている時だった
ルート城の扉をこじ開けんばかりに叩く音が聞こえたのは



〜続く〜

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